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角川選書
お家相続―大名家の苦闘

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047033689
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0321

内容説明

江戸時代の大名にとって、後継者の確保はお家の存続にかかわる重大事であった。幕府に対する無届(公辺内分)や年齢詐称、当主や嫡子の入れ替えなど、公的な表の史料からは決して窺えないお家相続の実態と、その実情を承知しながら黙認した幕府と大名家との関係を改めて問い直す。

目次

第1章 江戸幕府の相続規定(相続手続きの原則;跡継ぎの確保と家の存続;末期養子の手続―池田政員の急養子願)
第2章 「公辺内分」の相続(書き替えられた系図―生坂池田家の「政房」と「政恭」;兄弟の入れ替え―備中鴨方池田家の事例;系図から抹消された少年―池田政方の男子の記載;身代わりの幼君―肥後人吉藩相良家の相続問題)
第3章 養子をめぐる大名家の諸相(養子選択の駆け引き―摂津麻田藩と伊予宇和島藩;仮養子問題と年齢操作―萩藩毛利家の相続事情;血縁と家の継承―十九世紀の岡山藩)

著者等紹介

大森映子[オオモリエイコ]
1952年生まれ。1982年お茶の水女子大学博士課程人間文化研究科単位取得退学。日本近世史専攻。現在、湘南国際女子短期大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

連盟

2
お家存続のために人をすり替えたり、いないことにしたり、年齢が操作されたりと、苦労の様子が見て取れて興味深い。本書に記載があるのはこれでも一部でしょうから、他の事例についても読んでみたい。2018/11/18

印度 洋一郎

1
大名家にとって一大事だった「相続」。記録を紐解くと跡取りが夭折、長じても病死する家の多さに驚く。これでは、どの家も常に廃絶の危機と隣り合わせにあったといってもいい。末期養子や仮養子といった制度も根本的な解決にはならず、弟を養子にする、兄弟を入れ替えて養子にする、替え玉と入れ替えるなどなど、色々な裏技が横行。幕府は知っていながらも、諸藩が混乱するよりはと黙認していた。幕府の公式な記録と、各家の私的な記録に齟齬があるのも当然か。取り繕った建前である公式記録は、一体どこまで信用出来るのか?という疑問がわく一冊。2011/07/09

たぬき

0
生物基準の社会は大変だ2010/07/12

wang

0
幕府の定めた相続とくに養子縁組のルールにより生じる様々な食い違いについて。大名実年齢と公称年齢の差や死亡日時の異同、参照資料による系図の食い違いなどに付いて。特に17歳未満養子禁止による公辺内分などは大変興味深い。岡山藩池田家の一族を中心に具体的な研究が素晴らしい。研究の更なる進展を待ちたい。2009/12/20

やご

0
江戸時代の大名家の相続を扱った研究書。地味なテーマですね。内容・文章も研究書らしいお堅さ加減。にもかかわらず、えらくおもしろかったです。江戸時代、後継者のいない大名家は取り潰しの対象となったことはよく知られています。幼児死亡率の高いこの時代、実子による承継を順調に続けていくことは非常に難しく、じゃあ養子(大名家に限ったことではないのですが、俗に「三家に一家は代替わりに養子が入る」と当時言われていたそう)をとればいいとはいってもお大名ともなりますと種々条件・制約がありまして、関係者は心労を重ねるわけです。2005/07/20

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