角川選書
羅城門の怪―異界往来伝奇譚

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047033603
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0339

内容説明

古くから羅城門は異界への入り口とされ、羅城門を舞台にした数々の奇談は、千年の時を超えて語り継がれてきた。百鬼夜行の通り道である朱雀門、閻魔王庁へと続く六道珍皇寺の井戸、嫉妬のあまり橋姫が鬼と化した宇治川―。人と異界の住人が往き来する場所をめぐる物語を仔細に読み、日本人の異界への飽くなき想いを解き明かす。

目次

第1章 羅城門の怪
第2章 羅城門の鬼と渡辺綱
第3章 羅城門再建計画
第4章 朱雀門の怪
第5章 応天門の怪
第6章 井戸・泉の怪
第7章 橋の怪
第8章 異界に棲む悪霊
第9章 異界に棲む鬼
第10章 異界に棲む天狗
第11章 芥川龍之介の「羅生門」
第12章 火野葦平の「羅生門」

著者等紹介

志村有弘[シムラクニヒロ]
相模女子大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てらこ

12
羅城門にまつわるものを中心に、さまざまな古典文献に登場する怪異伝承を紹介・考察する内容。この本自体にはストーリー性はありませんが、多種多様な説話とその出典元が俯瞰できるので参考になりました。芥川龍之介と火野葦平の「羅生門」比較が面白かった。2019/08/30

二笑亭

7
タイトルにある通り“羅城門の怪”を中心とした説話を紹介した一冊。ただ羅城門・朱雀門・応天門、井戸に橋、怨霊・鬼・天狗というように、対象が羅城門から飛んで行くため、ややテーマに一貫性を見出しにくい。副題「異界往来伝奇譚」から考えると、羅城門つまり境界に現れる鬼(怪異もしくは神性)とその関連事象を扱っているということなんだろう。妖怪や怨霊に関する平安・鎌倉の説話を俯瞰的に知るのには良い。夢枕獏や鈴木光司『リング』に言及するのも面白い。2022/10/31

HANA

5
主に平安時代の怪異についての記述が中心。鬼や天狗、境についてなど割と広範囲に渡って紹介されている。こういうのを読むと、やはり平安時代の夜はとても深い闇に包まれていたのだと思い知らされる。ただその闇は非常に蠱惑的なものに思えるのだが。ところで以前散歩中に偶然羅城門跡の碑を見つけたことがあるが、何処にでもあるような公園に様変わりしていた。千年の断絶はとても深いなあ。2011/05/29

竜王五代の人

4
平安時代の怪異をまとめた、というよりは集めた本。今一つテーマが見えず、また話が夢枕獏「陰陽師」や芥川「羅生門」など昨今の再話だけでなく、これはもう文学論だろ、という芥川・火野葦平の両「羅生門」の比較にまで及ぶので、散漫という印象は逃れ得ない。いろいろな怪異譚を適当に楽しむというなら悪くはないが。2022/10/26

みなみ

1
夢枕獏の陰陽師シリーズを思い出しながら読んだら、本の中で言及されていた。羅城門跡は行ったことがあり、本当になんでもない公園にぽつんと石碑があるだけだった。読みやすく面白いので良かった。平安朝の歴史をもっと詳しく知りたくなる。2018/10/14

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