内容説明
イスラーム史に外交はあるのか、日本人のイスラーム認識は―。好戦的なイメージと先入観で誤解されることの多いイスラームを、ナショナリズム、民族問題、民主主義、IT、ターリバンなどをテーマに、歪みのない視点でミクロかつマクロに捉え直す。13億人の民をもつイスラームの文明と歴史の理解を深め、21世紀の文明間の対話の本質を伝える格好の書。
目次
1 文明論としてのイスラーム(イスラームに外交はあるのか;ターリバンの仏跡破壊―イスラームと偶像崇拝の禁止によせて;サイバー・アクティヴィズムの脅威と「IT犯罪」;アラブ系オスマン紳士の義理と人情;アルメニア問題の悲劇性 ほか)
2 反テロリズムから新秩序の形成へ
3 歴史の危機(でないもの、一度もなかったもの、決してないであろうもの;スキピオと川路聖謨―二一世紀の新しい外交とは;君府考;歴史家と文学者―『納得しなかった男』余滴;二〇世紀開幕を告げた日露戦争―吉野作造と明石元二郎の見方 ほか)
著者等紹介
山内昌之[ヤマウチマサユキ]
1947年札幌市生まれ。71年北海道大学文学部卒業後、カイロ大学客員助教授、東京大学教養学部助教授、トルコ歴史協会研究員、ハーバード大学客員研究員などを経て、92年より東京大学大学院総合文化研究科教授。学術博士。国際関係史、イスラーム地域研究専攻。『現代のイスラム』で発展途上国研究奨励賞、『スルタンガリエフの夢』でサントリー学芸賞、『瀕死のリヴァイアサン』で毎日出版文化賞、『ラディカル・ヒストリー』で吉野作造賞を受賞。2001年12月には第5回司馬遼太郎賞を受賞
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