角川選書<br> モンゴル軍のイギリス人使節―キリスト教世界を売った男

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角川選書
モンゴル軍のイギリス人使節―キリスト教世界を売った男

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047032620
  • NDC分類 222.057
  • Cコード C0322

内容説明

十三世紀、世界の勢力地図を激しい勢いで塗り替えた、ハーン一族率いるモンゴル軍。その先鋒で一人のイギリス人が暗躍していたことはほとんど知られていない。彼は、マルコ・ポーロより半世紀以上も前に遙かモンゴルへ赴き、ついにはキリスト教世界を売った大罪人として遠い異郷の地で処刑された。著者は、この人物を不条理な運命に翻弄された時代の犠牲者として捉える。膨大な資料を渉猟し、歴史の闇に葬られた謎の人物を追いかけながら展開される、十字軍時代の一大歴史絵巻。

目次

第1部 イングランドにおける抗争
第2部 はるかエルサレムへ
第3部 プレスター・ジョンを訪ねて
第4部 チンギス・ハーンの世界
第5部 かのイギリス人の足取りを辿って
第6部 ヨーロッパ大陸の苦悩
第7部 キリスト教世界を裏切った男

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bapaksejahtera

12
著者は英国に亡命したハンガリー人。ドラキュラ伝説元串刺公はモンゴル人の末裔かという欧州的偏見に満ちた話題から資料を漁っていた著者は、英国に残る年代記史料からモンゴル外交官の中に英国人がいたとの記述を目にする。本書は13世紀初ジョン王と貴族との争いとマグナカルタに始まり、その後の教皇と王権との確執から、英仏合同十字軍派遣とエジプトへの転戦等が述べられる。歴史への知識が興味を以て膨らむ。ここでの墺洪連合軍と英仏軍の出会いが該英国人推定の根拠となる。蒙古の記述について少々頷けぬ処もあるがまずは興味深い本であった2022/08/02

印度 洋一郎

3
バトウ率いるモンゴル帝国軍がヨーロッパに侵攻した時、その軍の中にイギリス人の外交官がいたらしい。捕虜となり、裏切り者として処刑され、歴史の闇に埋もれていた謎の人物の足取りを追った本。しかし、資料が少ないので、記述は専ら当時のヨーロッパから見たモンゴル軍の侵攻について書かれている。言って見れば、欧州の元寇なのだが地続きだったために、まるでホロコースト並の凄まじい被害(男性は皆殺し、女性は慮辱した上で皆殺し。都市は破壊して更地にしてしまう)をもたらした。欧米人がチンギス・ハーンを歴史上の悪人に数えるのも当然か2011/09/27

Mentyu

1
今時珍しくヨーロッパ側の史料を引用してこれでもかと言うほどに書かれたモンゴル残虐論という印象。2014/02/23

望蜀人

1
モンゴル軍がドイツの東ポーランドへ来寇したのは1240年のことである。翌1241年にはポーランド南部レグニッツァにおいてドイツ・ポーランド諸侯軍はモンゴル軍によって大敗し、モンゴル軍はウィーン南方まで進出。 キリスト教世界は存亡の危機を迎えていた。しかし、モンゴル軍は突如として東に戻っていく。ウィーンに取り残された僅かなモンゴル軍捕虜の中に一人の老いたイギリス人がいた。 彼こそモンゴル軍のヨーロッパ侵略における水先案内人であり、キリスト教世界を売り渡した男。彼は、ハーンに仕える前に、神に仕えていた。2012/01/31

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