内容説明
バブル崩壊後、大型プロジェクトが打ち切られ、出世コースからも外れた不動産会社部長の森田は、早期退職制度に応募して再起に賭けていた。独立して、三十年間やってきたこの不動産業界で、もう一旗揚げるのだ!ところが退職の夜、妻子が失踪し、起業資金が消えた。自分の身に、いったい何が起こったのか?サラリーマンにとって、家族とは、仕事とは何なのか。家族の絆を問い直し、自分を見つめ直してゆく、再生の物語。
著者等紹介
江波戸哲夫[エバトテツオ]
1946年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。三井銀行(当時)を一年で退職、出版社勤務を経て、83年作家として独立。政治、経済周辺を題材に、フィクション、ノンフィクションの両分野で幅広く活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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速読おやじ
8
主人公52歳、37歳の時に大手商社から不動産会社に転職、飛ぶ鳥落とす勢いだったのがバブル崩壊で左遷、早期退職を半ば勧奨されて、独立かといったところで、起こる悲劇。妻を、家族との距離の深さに愕然とする。何だかヒトゴトではないぞ。身につまされるというか、読んでいて非常に辛くなった。主人公の年齢、家族構成など、いちいち当てはまるからだ。自分もこうならないとは決して断言できない。仕事ってなんなんだ、、とついつい思ってしまった。2019/05/09
一笑
7
不動産会社の部長が早期退職して家に帰ったら、家の中は妻も子供いなくてもぬけの殻。主人公森田道弘は何が何だかさっぱりわからない。妻や子供を探していく中でこれまでの人生を振り返るというお話。”24時間戦えますか”というCMがあったけれど、主人公はその時代を生きた人。主人公ほどではないけれど、主人公の今までの生き方に近いものを感じる自分がなぜかこそばゆい。仕事とは何か、会社とは何か、妻とは何か、家族とは何か、いろいろ考えさせられた。最後なんとなく、明るい方向で進みそうな気配。私の人生も最後、明るくなればいい。2024/02/10
ぼぶ
3
暇だったから久しぶりに本読んだが、いい話だったぜ2022/09/04
LanciaLancia
3
大手商社からバブル絶頂期の不動産業へのヘッドハントと、いわゆる勝ち組を歩いてきた50代。もう一旗!と早期退職に応じたものの...このお話に登場する夫婦共々、何なの? って思う(ハッキリ言ってどーしよーもない展開)。けど、読み終えて改めて、足るを知る って事の大事さ考えさせられた。2019/08/11
ユースケ
2
森田さんの人への接し方が変わっていく。一人一人を認めるよーな。大事ですよね。2020/01/21