角川ホラー文庫
獣たちの夜―BLOOD THE LAST VAMPIRE

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043666010
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

飛び散る血飛沫、鈍く光る刀身、闇に揺らめく蒼い炎のような眸―。機動隊に追われて逃げ込んだ路地裏で高校生零が見た恐るべき殺戮現場。その犯人はまだあどけないセーラー服姿の女子高生だった。そして次の瞬間、彼女は零に向かって刃を振りあげた―。平凡な日常から足を踏み出した時、恐怖の闇が牙を剥く!!押井守が描くゴシックSF・アクション。

著者等紹介

押井守[オシイマモル]
1951年、東京都生まれ。映画監督
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とくけんちょ

39
とんでもなく、押井節がフルスロットル。これは、1960年代、かの時代からの贈り物。その時代も好きだし、知識の詰め込み具合がハンパない、これって娯楽小説じゃないんじゃないかと思わせる押井節も大好きな私には、十分に楽しめる作品であった。この知識の深さには驚かされる一方、興味がない人には徹底的にキツイ作品であることも間違いないだろう。押井監督の映像化作品を見て安易に手を出すのは控えた方がいい。2019/03/13

ブナ太郎

6
押井節炸裂! これは、ブラッド ラストバンパイアの原作本ではない。まったくの別物語である。舞台は学生運動盛んな60年代。この時代の雰囲気を見事なまでに再現していると山田氏が巻末で絶賛しているが、その時代を知らない自分からしてみても、これは生き生きとしていてとてもリアルに感じられた。学生運動に勤しむ彼ら高校生たちの口癖である「ボナパルな!」には、笑わされた。今すぐにでも使いたいフレーズ。内容は、とにかく後藤田を初めとする登場人物が語る語る。とにかく食い散らかしながら、なんページにはわたって語り続ける。これを2012/10/29

長谷川

4
押井守が、自身を「演じている」んじゃないかと思う程、彼のエッセンスに満ちていた。緻密に描かれた学生運動の内実。家庭内での闘争もまた、リアリズム溢れて面白い。食事のシーンは実においしそうで、話の運びに合わせた描写にも感服。極め付けは、死体処理にまつわる話、吸血鬼の生物学的,哲学的見解等、知識の奔流に飲み込まれるような会話。映画と違い、時間経過の固定がないため、異常ともいえる知識を長尺で語る登場人物たちだが、それがまた心地いい。「BLOOD」を借りて、押井守が語る絶望と希望。文体から何から、全てが破格の傑作。2013/03/12

肉欲棒太郎

3
面白過ぎて一気読み。村上龍の『69』を1000倍ぐらい濃密にした学生運動×伝奇もの。笠井潔の小説にかなり近いものがある。まず目次が無茶苦茶カッコいい。焼肉食いながら死体の処理方法について延々と議論するくだりはシュールそのもの。ロスチャイルドやらバチカンやらまで行くと流石にぶっ飛び過ぎててちょっとついて行けないが。2019/03/18

いらっしゃいまっせ

3
60年代の学生運動盛んな頃、背伸びした高校生の体験したことは…。bloodをモチーフに押井守が自分の学生時代を織り込みつつ描いた作品の様ですね…。あの頃の高校生が学生運動をどう観ていたか、また、いかに背伸びをしてインテリらしく振る舞うかを競っていたかが伺い知れて面白かった。小夜はおまけで、後藤田と老人の会話に全てが集約されていたようだ。誰かが言っていたが、押井さんは、映画より小説の方が面白いかも。2012/12/13

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