感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
27
ともに笑い合ったり悲しんだり… いっ時は人々でごった返したあの場所も今はもう昔、日本各地に存在する廃墟と化した建造物の歴史や思い入れをセピア色した写真と共に語られる叙情的フォトエッセイ。…あくまで“ノスタルジック”に浸る為の一冊なのであしからず。。。2016/08/12
ヤスヒ
12
角川ホラー文庫のラインナップだがホラーではない。著者が実際に各地の廃墟を実際に訪れレポートしたフォトエッセイ。世間一般的な有名どころでは帯広の幸福駅や大阪球場が掲載されている。ひとつひとつのレポートが約10ページ程で語られ、またこの手の本にありがちなおどろおどろしい演出もあまりない為サラっと読める。滅多に行くことのできない場所を著者のガイドでちらっと覗いた印象で興味深く読む事ができた。セピアがかった写真はノスタルジックな雰囲気を醸し出している。まるでかってそこに集った人々の息遣いが聞こえてくるようだった。2012/07/16
削りくず
1
私は廃墟ブーム以降の廃墟好きだけど、「ひとが勝手につくり、ひとが勝手に捨ててしまった物件たちに、かつての賑わいの残り香を嗅ごうと......」に同意。私も、現在の廃墟の在り様とかつての賑わいとのギャップを想像して楽しむのが好きだ。それにしても、建築物って人間に捨てられた後もずっとそこに在り続けて、待ち続けているんだと思うと哀れでならない(実際、廃墟に心は無いんだろうけど)。2014/08/21
丰
0
20020110
ジャッカル佐崎
0
2000年代初頭の廃墟ブームの中で復刊された本書だが、単に廃墟のエモい写真を載っけてポエムみたいなことを呟いているのではなく、綿密な取材をしたうえで、物件が廃墟となるまでの背景をしっかり解説してくれているのがありがたい。ひなびた山奥の廃墟ももちろんあるが、都市のど真ん中にある廃墟も多く取り上げられているのも特徴だ。個人的にはもうちょっと大きい版で写真を見たかったとも思うが、さまざまな「物件の死」をしみじみと味わえる一冊である。2023/08/14