出版社内容情報
「判決重うなったんは、あんたのせいや!」劇場で見るような、怒り、涙、かけひき、ため息、飛びかう法律用語、適切な訳語への迷い――「裁判で通訳する」リアルを描き出す、胸を衝く法廷ノンフィクション。
内容説明
ふたつの国の言葉のあいだに立って自分にできることをしたいと、法廷通訳の道を歩み始めた著者。けれど法廷では想像以上の困難が待っていた。「わたし、通訳いりません」「判決重うなったんは、あんたのせいや」「アナタ、モウ、イイ」劇場さながらの怒り、涙、かけひき。感情を殺し、一語一語を正確に訳そうとする自らの格闘と、言葉によって人の“生”があぶりだされる外国人裁判のリアルを、情感溢れる筆致で描くノンフィクション!
目次
法廷通訳人という仕事(法廷通訳人になる)
そこに立たされる人生(わたし、通訳いりません;だれがそれを、きめたんだ;アナタ、モウ、イイ;父と子の母語;もどかしさの衣;五〇二号法廷にて;クロッスムニダ)
日本語と韓国語のあいだを行き来する(判決重うなったんは、あんたのせいや;名前を何といいますか;ハスリします;うごくなまえたち;ルビのかけひき;揺れるポニーテール;バーの向こう)
裁判員裁判の法廷で(初めての裁判員裁判;ありがとう)
法廷通訳人(抜け落ちた歯)
著者等紹介
丁海玉[チョンヘオク]
1960年神奈川県川崎市生まれ。在日韓国人二世。幼少期を北海道旭川市で過ごす。84年ソウル大学校人文大学国史学科卒業。92年大阪高等裁判所通訳人候補者名簿登録。大阪、広島、名古屋、高松各高等裁判所管内にて韓国語の法廷通訳を務め、現在に至る。2002年に発表した「違和感への誘い―法廷通訳の現場から」(『樹林』448号)は、第22回大阪文学学校賞(エッセイ・評論・ノンフィクション部門)を受賞。詩誌『space』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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