悪名残すとも

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  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041034712
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

西国一の侍大将と讃えられた男は、 なぜ下克上の代名詞となったのか。

天文九年(一五四〇年)の師走。毛利元就の居城、郡山城に尼子軍の怒濤の侵攻が押し寄せようとした時、一万の兵を率いた援軍が現れた。まだ二十歳の美しき軍師の名は、陶隆房。大内義隆の重臣にして、援軍の大将を務める男だった。隆房の見事な戦略により尼子軍の侵攻を打ち破った隆房は、毛利元就の戦友として、親交を深めていく。だが、隆房の真の敵は、外部だけではなかった。翌年、出雲に侵攻した隆房の軍は、内部の統制も取れずに敗走を余儀なくされる。大内氏内部での文治派の台頭、君主大内義隆の戦離れにより、武断派の隆房は追い詰められることに。さらに大内義隆の文化への傾倒と浪費は、天役(臨時徴税)を連発することになり、領民を苦しめていくのだった。迫り来る隣国の侵攻、疲弊する大内氏を立て直すため、隆房はついに決断を下す。書き下ろし歴史長篇。

内容説明

天文九年(一五四〇年)の師走。毛利元就の居城、安芸国(現広島県)の郡山城に尼子軍が攻め寄せようとした時、一万の援軍が現れた。まだ二十歳の美しき軍師の名は、陶隆房(すえたかふさ)。毛利氏を従える大内義隆の重臣にして、援軍の大将を務める男だった。見事な戦略により尼子軍を打ち破った隆房は、毛利元就の戦友として、親交を深めていく。だが、隆房の敵は、外部だけではなかった。翌年、出雲に侵攻した隆房の軍は、内部の統制も取れずに敗走を余儀なくされる。大内氏内部での文治派の台頭、主君・義隆の戦離れにより、武断派の隆房は追い詰められることに。さらに義隆の文化への傾倒と浪費は、天役(臨時徴税)を連発することになり、領民を苦しめていくのだった。迫り来る隣国の侵攻、疲弊する大内氏を立て直すため、隆房はついに決断を下す。

著者等紹介

吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年「我が糸は誰を操る」で第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あーさん☆声優坂泰斗を応援します!(`・ω・´)ゞ

75
図書館で借りた汚れがある本。表紙がカッコイイ。文庫化しているので買うと思う(¯―¯٥)2020/03/26

巨峰

68
悪名高き陶晴賢が主人公。こういう評価の人物を主人公にその見方を変えさせようという小説は数多あるけど大体が失敗に終わる。家老家の若君で若くして権力を恣にし、主君とは男色の関係で、主君の寵童を寝取ってセックスでコントロールし、家格の悪い成り上がりものや文官は目の敵にし、主人を息子ともども暗殺し、さらに同僚を闇討ちし、最後には西国一の大名大内家を滅ぼしてしまう。そして自分も毛利元就の罠にはまりあっけなく敗死。こんなのどう書いても無理ですよw2021/03/14

baba

44
大内氏家臣陶隆房の主君を慕う気持ちと大内家を思う気持ちに揺れる心情が伝わってくる。冒頭の吉田郡山城の戦いの隆房は20歳で若々しく凛々しく、最後の厳島の戦いの攻防は思わず息を潜め読みふける。主家裏切りに汚名を着て真に迫る姿はまだまだ若い35歳。彼の御家を守るこころざしと毛利元就が大内氏と尼子氏の漁夫の利で中国を治め、これを遺訓につなげたことが面白い。2016/04/28

ren5000

39
題名の通り悪名高き武将として知っていた陶晴賢の物語。実際の大内義隆がどんな人物かは勉強不足で知らないけれど、この物語の晴賢は義隆に対してちょっと乙女で優しすぎたのが仇になったように思います。歴史に名を残すヒーローはどこか無慈悲で悪人の面を持っていますよね。この人と室町時代の高師直はなんかちょっとかぶるのよ。2016/09/17

ハッチ

28
★★★★★中国地方の梟雄陶隆房と毛利元就の歴史小説。ここら辺の歴史はあまり読む機会がなかった為面白かった。どちらも知略、武略の将であり、盟友だったはずが敵対し、相手よ策略を読み合う所が良かった。2016/08/27

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