出版社内容情報
ここは楽園じゃないけど、面白いところではある。
「残念なパーマの、残念なハーフ。人呼んでザンパ」。不名誉なあだ名とともに暗黒の少年時代を過ごした青年ザッくん。どん底から救ってくれた親友たちに背中を押されて、沖縄の安宿・ホテルジューシーでバイトをすることに。そこで待ち受けていたのは、おいしい沖縄料理の数々に超アバウトなオーナー代理、そしてやたらと癖のある宿泊客たち。困難に立ち向かいながら、諦めムードだったザッくんの人生が、南風とともに変わっていく……?
内容説明
「残念なパーマの、残念なハーフ。人呼んでザンパ」。不名誉なあだ名とともに暗黒の少年時代を過ごした青年ザッくん。どん底から救ってくれた親友たちに背中を押されて、沖縄の安宿・ホテルジューシーでバイトをすることに。そこで待ち受けていたのは、おいしい沖縄料理の数々に超アバウトなオーナー代理、そしてやたらと癖のある宿泊客たち。困難に立ち向かいながら、諦めムードだったザッくんの人生が、南風とともに変わっていく…?
著者等紹介
坂木司[サカキツカサ]
1969年東京都生まれ。学歴、性別不詳の覆面作家。2002年『青空の卵』でデビュー。13年『和菓子のアン』で第2回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくちゃん🌸柳緑花紅
157
ザッくんへ。残念なパーマ、残念なハーフ、そして太っていたことで苛められ、ザンパって渾名を付けられていた君に学生時代共に過し未来を語り合った仲間がいて良かったね。更に良かったのは、オフシーズンの沖縄、ホテルジューシーでのアルバイトを決意したこと。実際に行った事。楽園じゃなかったけど楽しかった思い出も出来たね。オーナー代理は相変わらずだけど、素敵な人だったね。君の良いところも悪いところも分かって経験させてくれたね。スーパーたねひでのおじさんとの会話がグッと来たよね。君は真面目で正直な美味しいチャンプルーだよ。2022/06/02
ウッディ
145
残念なミックスという見かけで小さい頃からいじめられていたザッくん。目立たず、人と関わらないように生きていて彼は、親友に背中を押され、沖縄の安宿「ホテルジューシー」の住み込みバイトとして働く。米軍基地があり、観光客の多い沖縄で自分の見かけが埋没するという心地よさを感じる主人公が、昼間はボーっとしているが、夜になると、次々と宿泊客の謎を解き明かすという、冴えを見せるオーナー代理など、個性豊かな人たちに囲まれ成長していく様子が好ましかった。「ホテルジューシー」の続編ということで、読む順序を間違ったのが残念。2022/08/25
雅
140
ホテルジューシーの続編ということですが、前作をまったく覚えていない。それでも充分楽しめました。イジケな主人公には共感できなかったけど、その部分も含めてリアルな感情が味わえた2022/07/14
ひさか
139
野性時代2018年1月号:約束、3,7,9,11月号:風の音、11月号、2019年1,3,6,8,111月号:境界、2020年2,5,7,9月号:ローリングカラーストーン、2020年11月号、2021年1,3,6月号:フェア、6,8月号君ではない、8月号:眩しさ、に加筆修正し、あとがきを加えて、2022年2月角川書店刊。シリーズ2作目。前作と同様に一夏の出来事。大学生だが幼ない主人公の沖縄アルバイトストーリー。少しぬるい話で、あまり共感できませんでした。2022/06/14
hiro
130
『ショートケーキ。』に続いて坂木さん作品を堪能。前作『ホテルジューシー』を読んだのはもう9年も前だが、主人公ヒロちゃんの成長譚だったことや、今回再会できたホテルの従業員たち、そしてハチさん便なども覚えていて懐かしかった。前作と同様、沖縄の安宿のホテルでバイトしている主人公の成長譚だが、今回の主人公ザッくんは、何事にも慣れずびくびくとしていて人からは薄味と言われているが、そのザッくんが沖縄の抱えてる問題を始め、日本社会の問題に遭遇して少しづつ成長していく坂木さんらしい作品だった。またオーナー代理と会いたい。2022/07/07