角川EPUB選書<br> 元素変換―現代版“錬金術”のフロンティア

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元素変換―現代版“錬金術”のフロンティア

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784040800165
  • NDC分類 429.5
  • Cコード C0040

内容説明

ありふれた金属を貴金属に変換することができたなら?―古くから人々が憧れを抱いてきた“錬金術”が現実のものとなりつつある。三菱重工で「元素変換」研究を続けてきた岩村康弘に徹底取材し、テクノロジー化を目前に控えたこの現象の可能性を探る。放射性セシウムの無害化、レアメタルなど希少元素の生成、エネルギー源としての利用など…「元素変換先進国・日本」に開かれた未来像とは?

目次

第1章 「元素が別の元素に変わる」とはどういうことか?(電子をやりとりする化学反応、元素を変える核反応;核反応には「核分裂」と「核融合」がある)
第2章 元素変換の発端となった「常温核融合」騒動(世界に衝撃!!室温で「核融合」!?;DOE調査が押した「ニセ科学」の烙印;「再現できない=非科学」は本当か?;それでも粘り強く研究を続けた人たち)
第3章 日本が「元素変換」研究のフロンティアになるまで(「騒動」からわずか2カ月、日本での研究がはじまった;岩村と「常温核融合」との出会い;予算40億円の国家プロジェクト「NHE」が発足;この「異常な」現象の研究に岩村が本格参入;岩村の確信―本質は「核変換」にある!!;元素変換が本格的に認知されはじめた;「元素変換」研究が大きく花開く)
第4章 元素変換が実用化すると、何が起こるのか?(3つの可能性―放射性廃棄物の処理・希少元素の生成・エネルギー源;放射性廃棄物を無害な元素に変換する;希少元素を戦略的につくり出す;コンパクトな発電装置を可能にする新エネルギー源)
第5章 元素変換のさらなる展望(原発汚染水の除去に元素変換は有効か?;星の錬金術―超新星爆発を超える元素合成のシナリオ)

著者等紹介

吉田克己[ヨシダカツミ]
1962年京都市生まれ。1985年、京都大学工学部卒業後、株式会社リクルートに入社。主に、情報通信関連およびインターネット関連の事業部門で、ネットワーク・サービスの営業、システム開発・管理、商品企画、営業マネジャー、ウェブマスターなどを経て、2002年3月に退職、独立。現在、産能大通信講座「『週刊ダイヤモンド』でビジネストレンドを読む」の講師を務めるかたわら、ダイヤモンド・オンラインで企画・執筆に携わっている

岩村康弘[イワムラヤスヒロ]
三菱重工業株式会社横浜研究所先進プロジェクトグループグループ長。1961年福岡市生まれ。東京大学工学部原子力工学科卒業後、同大学院工学系研究科博士課程修了(工学博士)。三菱重工業で元素変換などに関する研究を行う。2004年、凝縮系核科学国際学会からジュリアーノ・プレパラータ・メダルを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

191
これは凄いことをしてるなぁと思った。もし完全に実用化出来たら、放射性物質やらメタンハイドレートなど、夢の解決策になるなぁ。2015/08/05

makio37

7
長くトンデモ扱いされてきた常温核融合。その元素変換という面に注目した三菱重工の岩村氏の研究を中心に、歴史・現状・展望が紹介されている。門外漢でも付いて行ける内容だ。半分はポジショントークだと考えても、やはり夢のある技術だ。<放射性廃棄物の無害化><安価な元素から希少元素への変換><小型・安価で無害なエネルギー源>と期待は膨らむ。STAP細胞のように潰されないで欲しい。個人的には「Wから変換可となるとPtへの投資は長期的には危険かも」などと卑しい妄想も膨らんでしまう。2015/02/15

ソウ

6
専門的な化学のお話はよく理解できなかったが、常温核融合の研究から表題の研究が派生した経緯はよく分かった。どうやら日本(三菱重工 岩村氏)がこの分野では世界をリードしているらしい。サイエンスレベルではほぼ確実に元素変換は確認済、詳しいメカニズムの解明が待たれる。テクノロジー(実用)レベルは、ようやく入り口に立った所といった感じ。①新エネルギー分野(コンパクトな施設で高エネルギー)②放射性廃棄物処理(福島汚染水が無害化できるかも)③希少元素の生成(タングステンからプラチナ)等。今後が楽しみ。2015/03/09

kmfm

5
通常なら知り得ない本だが、さすがHonzのおすすめ本だった。研究段階の「元素変換」だが、実用化のメドがつけば間違いなく、iPS細胞、青色LEDに続くノーベル賞ものであることは間違いない。コンパクトな発電装置、希少元素の戦略的生産が可能となることは凄い。でも何と言っても凄いのは、放射性元素を無害な元素に変換できるということだ。福島原発で度々漏れ出るセシウム、ストロンチウムといった半減期の長い放射性元素が無力化できるかもしれない。実現すれば、何の心配もなく、汚染されていた故郷に帰れるのだ。ぜひ実現してほしい。2015/02/07

月をみるもの

5
なんか変なことが起こってるのは確からしい。まずはサイエンスとしてちゃんと調べていかないと。2015/01/02

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