内容説明
ありふれた金属を貴金属に変換することができたなら?―古くから人々が憧れを抱いてきた“錬金術”が現実のものとなりつつある。三菱重工で「元素変換」研究を続けてきた岩村康弘に徹底取材し、テクノロジー化を目前に控えたこの現象の可能性を探る。放射性セシウムの無害化、レアメタルなど希少元素の生成、エネルギー源としての利用など…「元素変換先進国・日本」に開かれた未来像とは?
目次
第1章 「元素が別の元素に変わる」とはどういうことか?(電子をやりとりする化学反応、元素を変える核反応;核反応には「核分裂」と「核融合」がある)
第2章 元素変換の発端となった「常温核融合」騒動(世界に衝撃!!室温で「核融合」!?;DOE調査が押した「ニセ科学」の烙印;「再現できない=非科学」は本当か?;それでも粘り強く研究を続けた人たち)
第3章 日本が「元素変換」研究のフロンティアになるまで(「騒動」からわずか2カ月、日本での研究がはじまった;岩村と「常温核融合」との出会い;予算40億円の国家プロジェクト「NHE」が発足;この「異常な」現象の研究に岩村が本格参入;岩村の確信―本質は「核変換」にある!!;元素変換が本格的に認知されはじめた;「元素変換」研究が大きく花開く)
第4章 元素変換が実用化すると、何が起こるのか?(3つの可能性―放射性廃棄物の処理・希少元素の生成・エネルギー源;放射性廃棄物を無害な元素に変換する;希少元素を戦略的につくり出す;コンパクトな発電装置を可能にする新エネルギー源)
第5章 元素変換のさらなる展望(原発汚染水の除去に元素変換は有効か?;星の錬金術―超新星爆発を超える元素合成のシナリオ)
著者等紹介
吉田克己[ヨシダカツミ]
1962年京都市生まれ。1985年、京都大学工学部卒業後、株式会社リクルートに入社。主に、情報通信関連およびインターネット関連の事業部門で、ネットワーク・サービスの営業、システム開発・管理、商品企画、営業マネジャー、ウェブマスターなどを経て、2002年3月に退職、独立。現在、産能大通信講座「『週刊ダイヤモンド』でビジネストレンドを読む」の講師を務めるかたわら、ダイヤモンド・オンラインで企画・執筆に携わっている
岩村康弘[イワムラヤスヒロ]
三菱重工業株式会社横浜研究所先進プロジェクトグループグループ長。1961年福岡市生まれ。東京大学工学部原子力工学科卒業後、同大学院工学系研究科博士課程修了(工学博士)。三菱重工業で元素変換などに関する研究を行う。2004年、凝縮系核科学国際学会からジュリアーノ・プレパラータ・メダルを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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makio37
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