出版社内容情報
港の宿屋のジム少年は,泊り客が海賊と知り,宝の地図を手に入れる。仲間を集め,船をしたてて,宝島へ向かうジムの行く手には…。 小学校高学年から
内容説明
港の宿屋〈ベンボー提督亭〉ジム少年は、泊り客が海賊と知り、宝の地図を手にいれる。信頼のおける仲間をあつめ、船をしたてて、宝のねむる島へとむかうジムたち一行。ところが、宝を奪われてなるものかと、悪名高き海賊の船長ジョン・シルバーも熱心にジムを追う。イギリス少年冒険文学の決定版を完訳でおとどけします。小学上級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
113
宝探しかと思ったら大違い。確かに宝を目指すのだけれど、宝島につく頃からの、悪党対正規メンバーの戦い。少年ジムを中心とする正規メンバーはみな個性的。お人好しでうっかりもののトリローニさんは冷静に銃をぶっ放すし、船長は厳しく正しく冷静で決して悪に屈せず困難な時も航海日誌はつけるし英国旗を忘れない。ジムはすばしっこいし、リプジー先生は騎士道的精神を持つようだ。戦いに敗れる味方たちも素晴らしい。しかし悪役のジョン・シルバーが「宝島」の面白さを決定的にしている。あっ、忘れてはいけない、<フリント船長>も。2016/01/18
スズコ(梵我一如、一なる生命)
17
さすが名作、面白くてどんどん読み進めた。児童書だけれど、大人用であればもっと過激な表現があったりするのだろうか。ジム少年が幸運に見舞われまくって大活躍をする点は正直腑に落ちない部分もあるが、児童文学のご愛嬌なのは本当。本書とは関係ないが、海賊といえばタンタンのハドック船長のご先祖様を思い出すので、主人公達と同じ時代に別のどこかの海でご先祖様もえっちらおっちら海を漕いでいたのかと妄想し感慨深かった。ジョンシルバーと、どこかの海で会ってみたい。いいや、やっぱりまっぴらごめんだ。2016/01/27
さっちゃん
4
【♯G1000】54/10002015/08/17
omasa
2
岩波版と読み比べ。金原瑞人訳は1994年初版だが、古さはなく、勢いがあって冒険のテンポに合っていると思う。「砦」も「防御柵」よりいい。「郷主さん」より「地主」の「トレローニーさん」が分かりやすくてよかった。でもどこかしっくりこないことも。描写の説明的な文は淡々とした海保訳の方が分かりやすいこともあった。うーん、子どもにはどっちがいいの?イラストは佐竹美保さんが好きだし、地図もいい、表紙もおしゃれ。でも岩波のイラストも捨てがたい。挿入されている箇所がいいのだろう、想像力を助けてくれる。福音館はどう?2019/05/19
るうるう
2
昔から本好きだったけど、少年向けの冒険小説や貴族のお嬢様が出てくる少女小説は、パスしてきた。しかしいまだに気になっているものがいくつかあり、今年はそれらを読んでいこうと思う。その第一弾がこれ。もっと単純な内容だと思っていたら、心理戦がなかなかだった。今の映画や小説のエッセンスがここにあるのねって感じ。登場人物ではジョン・シルバーが秀逸。 2017/02/13