内容説明
フェミニズムとモードの抱える共通の問題とは?ちびまる子ちゃんとジョイス、光源氏とルソーをつなぐものは?いわゆる東スポ伝説と19世紀パリとの関係は?現代カルチャーの旗手が、その全景に目配りをきかせながら世に問うた、とびきり上等、超ポップ、史上最強のスーパー文芸評論集。
目次
名作はつらいよ
「’90年春夏コレクション」を見る
幽霊の正しい描き方
文芸時評(ドン・キホーテのごとく;懐かしい文学;戦争とことば;なんだ、それは?;「陰毛」と悲しみ ほか)
「正義」について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
58
この頃から一貫して「日本文学盛衰史」につながるテーマを考えていらっしゃることに感銘を受けつつ、三十年近く前のモードファッションもレイヤード志向だったのね、と面白く感じたり、とにかく幅広い。必ずしも文学じゃないかもしれない。2018/09/29
メタボン
26
☆☆☆ 「文学がこんなにわかっていいかしら」の続編かと思って軽い気持ちで読み始めたら、意外とその内容は難解であった。高橋源一郎はやはり時評よりも、純粋に文学作品の眼から皿的な読み方について教えてくれる方が面白い。2023/05/21
宙太郎
2
おぉっ⁉ 思ってたよりずっと難解じゃないか。それでも「きわめて重要なことは,たいてい,きわめて奇妙な外観をしているものなのです」(P211)とか,「もの書く人太宰は,もの書くことの『正義』という名の不正義を知る数少ない作家である」(P199)とか,「もし『表現の自由』というものがあるとするなら,それは『クズである自由』なのだ」(P124)とかいった”ひょっとしたらこれはずいぶん大事なことを言っているのではないか?”と思わせる警句は山のように出てくる。でも,モードの話はもう結構。だって興味ないんだもん。2022/11/11
静かな生活
2
キレッキレ。突き詰めれば、我々には文学しかないのかもしれない。2022/09/03
桜井晴也
2
「『戦争にもコミュニケーションの要素があります。驚くべきことではありません。バグダッドの市民は街の中で頭上すれすれを飛んでいくミサイルを見たり、爆撃されることによって、アメリカとコミュニケートしたわけです。じっさい、あの『湾岸戦争』が起こる前までは、わたしたちの大半はイラクやパレスチナのことなど考えたこともなかったのです。」2012/04/29