内容説明
なぜ小説はお猿の電車を歓ぶのか?小説の新しい動きと変わらない魅力を深く、広く、講義形式で解き明かし、これまでにない「読み」から文学の「あらたな十年」に光をあてる、本格的な文芸批評の登場。
目次
1 「両村上」の時代の終わり(行く者と行かれる者の連帯―村上春樹『スプートニクの恋人』;七合目での下山―村上龍『希望の国のエクソダス』)
2 九〇年代以降の小説家たち(「先生」から「センセイ」へ―川上弘美『センセイの鞄』;二重の底とポストモダン―保坂和志『季節の記憶』 ほか)
3 時代の突端の小説たち(生の「外側のその向こう」―大江健三郎『取り替え子』;言語・革命・セックス―高橋源一郎『日本文学盛衰史』 ほか)
4 新しい小説のさまざまな展開(その小さなもの(女性形)―伊藤比呂美『ラニーニャ』
「毎日ぶらぶら遊んで暮らしたい」―町田康『くっすん大黒』 ほか)
5 よしもとばななと一九九五年の骨折(なぜ小説はお猿の電車を選ぶのか―吉本ばなな『アムリタ』)
著者等紹介
加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948年4月1日、山形県生まれ。文芸評論家。1985年、第一評論集『アメリカの影』を刊行後、文芸評論にとどまらず、風景論、日本という共同体、その戦後空間の位相をめぐって独自の批評を展開。1997年、講義形式で書かれた『言語表現法講義』で新潮学芸賞、1998年、戦死者への哀悼、平和憲法の選び直しをめぐり、論壇、文壇の双方で賛否の論議を巻き起こした『敗戦後論』により伊藤整文学賞を受賞。現在、明治学院大学国際学部教授
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