小説の未来

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  • サイズ B6判/ページ数 366p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022578945
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

なぜ小説はお猿の電車を歓ぶのか?小説の新しい動きと変わらない魅力を深く、広く、講義形式で解き明かし、これまでにない「読み」から文学の「あらたな十年」に光をあてる、本格的な文芸批評の登場。

目次

1 「両村上」の時代の終わり(行く者と行かれる者の連帯―村上春樹『スプートニクの恋人』;七合目での下山―村上龍『希望の国のエクソダス』)
2 九〇年代以降の小説家たち(「先生」から「センセイ」へ―川上弘美『センセイの鞄』;二重の底とポストモダン―保坂和志『季節の記憶』 ほか)
3 時代の突端の小説たち(生の「外側のその向こう」―大江健三郎『取り替え子』;言語・革命・セックス―高橋源一郎『日本文学盛衰史』 ほか)
4 新しい小説のさまざまな展開(その小さなもの(女性形)―伊藤比呂美『ラニーニャ』
「毎日ぶらぶら遊んで暮らしたい」―町田康『くっすん大黒』 ほか)
5 よしもとばななと一九九五年の骨折(なぜ小説はお猿の電車を選ぶのか―吉本ばなな『アムリタ』)

著者等紹介

加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948年4月1日、山形県生まれ。文芸評論家。1985年、第一評論集『アメリカの影』を刊行後、文芸評論にとどまらず、風景論、日本という共同体、その戦後空間の位相をめぐって独自の批評を展開。1997年、講義形式で書かれた『言語表現法講義』で新潮学芸賞、1998年、戦死者への哀悼、平和憲法の選び直しをめぐり、論壇、文壇の双方で賛否の論議を巻き起こした『敗戦後論』により伊藤整文学賞を受賞。現在、明治学院大学国際学部教授
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NагΑ Насy

3
保坂和志 江國香織 川上弘美 村上龍 村上春樹 吉本ばなな 町田康 大江健三郎 などなど。大学での文学演習の講義ノートを下書きにした、授業スタイルの文学評論。大学図書館にて。ポスト・モダンてなんなのかなぁってのが、朧気に見えてきた気がする。そして現在の小説がその先に行きつつあることも。2009/01/08

かさ

0
90年代以降に書かれた12人の作家による小説を講義形式で評論(批評ではない)する。どの作品についての話も読みやすいが、特に面白く思えたのは高橋源一郎『日本文学盛衰史』。この本のこれ以降の部分でも登場する「作中原事実」という概念が提唱される。この小説の断片性について述べている部分はボラーニョ『アメリカ大陸のナチ文学』を解釈する補助線となるかもしれない。2015/07/13

もすら

0
金井美恵子論があったから一応2023/08/15

夜のみだらな猫

0
期待していたほどの分析というのは、自分には響かなかった。何故か。それは現在の「浮遊する小説」群が、当時とは形を変えているからだと思う。小説は古びない。もしかしたら時間が経つのを感じるのは、読み手の側の特権なのかもしれない。2020/01/12

turnstiles

0
☆☆☆☆★2019/10/09

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