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内容説明
太平洋を渡った!純国産の資源と、あらゆる分野に及ぶ大動員。戦時日本の持てる力が注がれた決戦兵器「ふ号」。日米のべ300人の証言をもとに、その隠された実像に迫る。
目次
第1章 一九四二年四月十八日
第2章 陸軍気球部隊の活動
第3章 初期の気球兵器
第4章 アメリカ本土攻撃
第5章 高度一万メートルの世界
第6章 和紙産地の苦悩
第7章 一〇メートル気球生産態勢
第8章 海軍のゴム気球爆弾
第9章 放球部隊
第10章 気球兵器の裏面
第11章 アメリカ側の被害
第12章 敗戦とともに
第13章 歴史としての「ふ号」
著者等紹介
吉野興一[ヨシノコウイチ]
1957年東京生まれ。1980年上智大学文学部史学科卒業。現在、カトリック系ミッションスクールの暁星中学・高等学校に勤務
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まっちゃん2
1
あまり知られていない、風船爆弾、第二次大戦末期に日本が作った秘密兵器。情緒的に流されず膨大な取材をもとに事実を淡々とつづった力作。一概に言えないが日本が風船爆弾に費やしたコストは今の金額換算で75億円、アメリカがその対策に費やしたコストが同じく4500億円。一概に単純比較はできないが60倍の戦術的効果があった。だが日本側は戦後になるまでそれが判らなかった。膨大な人モノ金を使った国家プロジェクトで、技術的にも社会システムとしても高度なプロジェクトを当時の日本は成し遂げていた。2019/03/03
tuppo
1
真偽はともかく戦争集結の流れと風船爆弾を絡めていく視点は新しく楽しんで読める。やたら小説調なので戸惑いもある。どうせ主観を交えるならということで思い切ったのだろう面白い一方定説なのか妄想なのかの区別がきかないので一長一短僕は好き2013/05/03
palehorse82
0
とても興味深く読んだ。石井部隊のくだりなんかは良質のミステリを読んでいるかのよう。あの戦争はいろんな意味ですごい。2016/01/08
teitowoaruku
0
風船爆弾について大変勉強になった。最後の方で、風船爆弾に細菌兵器を載せようとしていた可能性について言及し危惧しているが、取るに足らないことだと思った。相手は原子爆弾を落としているのである。細菌兵器+風船爆弾vs原子爆弾では、非人道性は後者に軍配があがるだろう。2023/09/04