内容説明
時代の先端を走り、歴史を拓いた港の物語。古代ギリシア・ローマから、ベネチア、ハンザ都市、アムステルダム、上海、ロンドン、ニューヨークまでビジュアルに描く。
目次
1 古典時古代
2 中国古代水運と港湾
3 中世の谷間から
4 大航海の時代
5 アムステルダムの貿易と海運
6 インド・太平洋のライバルたち
7 偉大なるロンドン―近代港湾の成立
8 アメリカにおける発展―現代への展開
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kk
19
洋の東西における港湾の発展を追いかけつつ、その背景となる生産・流通関係や貿易形態の発達、さらには港湾活動を支えた各地の文明史的なものにも言及。そのスケールの大きさたるや驚くべきものを感じます。情報量も膨大な上、地図等が親切に付されているというわけではないので、あまり読みやすい本という感じではありません。が、類書も少ない分野でもあり、少なくとも港湾マニアを自認される向きにはお薦めできる一冊かも。2023/11/06
RYU
1
欧米を中心とした港の物語。ビサンチウムではギルドによって商人による独立した商取引が芽生え、ベネチアでは十字軍の遠征で莫大な利益をあげ商人による港(商人による船と貿易と埠頭の一体化)を作り上げ、アムステルダムの商人は特権的貿易会社として東インド会社の前身を設立、ロンドンでは産業革命を経て貿易商人と船主に分化、ニューヨークではコンテナ海上輸送の発展とそれに伴う情報システム進展。日本では一般に国の資金で作られた船を着けるための物的施設である(堺は例外)のに対し、外国では内陸を包みこんだ一つの都市機能。2020/04/13