内容説明
胸がきりきりと痛んだあの日。熱く、ひたむきな恋の日々はどこへ行ったのか。「虚婚時代」の愛の姿を描く２０の物語。
目次
イチゴ、口へ
順序、変えん
どうしよう？イブ
帰ろう、凍結
記憶ない、チューリップ
再会、ヨックモック
なんかこう、気楽
競うのは、ノー
そんなん、せんのよ
平気よ、もどって
今度、ちょうだい
知らんのは、マレ
ナイショのころ
ふっとまた、こう妬く
ごめん、そうか
こいつ、剥けん
友情、いっぱい
蜜か、剣か
フフ、これ口実
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みも
30
週刊朝日に昭和63年1月から14回にわたって連載された1篇10頁程度の超短編に、書き下ろし6話を加えた全20話。1篇が短いのでやむを得ないが、全篇例外なく皮相的で極めて軽いテイスト。初恋を絡めての描写には、僕の底流に密やかに沈潜している甘酸っぱい記憶が呼び覚まされ、霞の中に淡く浮かび上がる儚い情景が心の襞をそっと撫でる。しかし不倫はいただけない。完璧な男目線。倦怠にカンフル剤を打つ様な、身勝手な理由で妻に嘘をつき浮気する。登場するのは判で押したように平凡な男達ばかりでうんざり。気休め程度にはなるだろうか。2017/03/10
