岩波現代文庫<br> 曲説フランス文学

岩波現代文庫
曲説フランス文学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 393,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006020026
  • NDC分類 950.2
  • Cコード C0198

出版社内容情報

ラブレー研究で知られるフランス文学の泰斗による,現代から中世までのフランス文学探究.文学的な題材を論じながら,深い人間洞察が披瀝される.イロニーと博識が充満した,きまじめにして抱腹絶倒のフランス文学通史.安原顯解説.

内容説明

ラブレー研究で知られるフランス文学の泰斗が、わかりえたことだけを綴ったというフランス文学探究。中世から現代までの文学的な題材を論じながら、著者の深い人間洞察・批評精神が披瀝される。ラブレー的ユーモアを穏やかに変奏しつつ、イロニーと博識が充満する。きまじめにして抱腹絶倒のフランス文学通史。

目次

狂信と寛容
へそ曲がりの精神の一例
生命短し恋いせよ乙女
サロンと文学
モラリスト文学
伝統と進歩
色々な啓蒙
続・サロンと文学
デスデモナのハンケチ
ある情熱の記録
続・へそ曲がりの精神
科学と文学
仰ぎ見る高嶺の花の幻
理想と現実
二つの生き方
結びの言葉―中世フランス語と中世フランス文学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

刳森伸一

8
題名にある「曲説」とは、フランス文学に通底するへそ曲がり精神(批判精神)を表すとともに、一般論ではなく渡辺一夫の考えるフランス文学である点を強調しているのだろう。確かに本書で挙げられている作家たちはフランス文学の最盛期ともいうべき19世紀以前に集中していたりと偏っている。しかし、そこには一貫性があり、渡辺一夫流の文学感の豊潤さと説得力がある。2021/02/26

amanon

8
こんな本がかつてカッパブックスから出ていたなんて…それが当時としても、前代未聞なことではあったにせよ、やはり時代的なものを感じてしまう。碩学の仏文学者による、ここまで平易に語られた仏文学史が存在したとは。恐らく当時は、現在よりも仏独など英米以外の言語や文化に対する関心が高かったという事情も察せられる。また元々ラテン語の強い影響下にあったフランスにおいて徐々に自国の言葉を確立していく過程を見ると、かなり早い段階で独自の言語表記を確立した日本の特異性を改めて認識。後、著者の世相批判は、今日にも通じるもの。2020/06/14

Norihiko Shr

0
http://ameblo.jp/puzz-l-riddle/entry-11944470309.html2014/10/28

zom

0
曲説といいながら王道なところを取り上げている。「五彩の照明よりも白昼の光で見るほうがよい」という渡辺先生の解説はとてもわかりやすくて読みやすい。2013/02/17

tekesuta

0
フランス文学史をわかりやすいように説明してくれて面白い。そしてところどころユマニストな先生の価値観が仄見える。たとえば、「寛容」の精神は無力で魅力はないが常に人間に働きかけて徐々に人間を改造してゆく、「進歩」というものに何か確実なものが見出せるとするならば、この「寛容」の精神によって人間の歴史が静かに動かされてゆくこと、といったように。 2012/08/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/24038
  • ご注意事項