出版社内容情報
古典研究は,ことばの解釈を越え,その時代の精神,世界観の理解にむかわねばならない.言語学・意味論・心理学等の成果を踏まえ,萬葉人の言語と思想の結びつきを解明し,萬葉研究史に新しい地平を拓いた画期的論文集.大谷雅夫〈解説〉
内容説明
古典研究は、ことばの解釈を越えて、そこに籠められた精神、世界観の理解にむかわねばならない。言語学・意味論・心理学等の研究成果を取り込むことにより、万葉人の具体的思考を探り、古代語の「読み」、特質の解明を果たした本書は、戦後の万葉研究史上に一大画期をなした著者の代表的論文集である。
目次
万葉・古今・新古今
「見ゆ」の世界
古代の言語における内部言語形式の問題
古代日本語における色名の性格
語彙の構造と思考の形態
意味変化について
意味の変遷
和語と漢語
五七五七七
「都」「曾」の或る場合
訓詁の学
人麻呂の反歌一首
海路の歌二首
調使首見屍作歌一首
「諍」か「浄」か
万葉集本文批判の一方法