岩波新書
道路をどうするか

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  • サイズ 新書判/ページ数 226p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311645
  • NDC分類 514
  • Cコード C0231

出版社内容情報

日本ほど、道路建設に金を使い続けている国はない。なぜそれが可能なのか。数々の事例や法制度をさぐっていくと、道路計画や道路特定財源をはじめ、利権を支える強固なしくみが浮かび上がってくる。それが市民生活や行財政にどんな歪みをもたらしているのか。「道路国家」を根本から解体していく方策を考える。

内容説明

日本ほど道路建設に金を使い続けている国はない。なぜそれが可能なのか。全国の事例や法制度をさぐると、道路計画や道路特定財源をはじめ、利権集団を支える強固な仕組みが浮かび上がってくる。それが市民生活や行財政にどんな歪みをもたらしているのか。これまでの改革の試みを検証し、「道路国家」を根本から解体する方策を考える。

目次

第1章 道路建設と道路特定財源
第2章 道路優先の国土開発
第3章 ムダな高速道路
第4章 道路、日本危機の元凶
第5章 「改革」の無残な失敗
第6章 利権の壁を乗り越えるには

著者等紹介

五十嵐敬喜[イガラシタカヨシ]
1944年山形に生まれる。1966年早稲田大学法学部卒業。現在、法政大学教授・弁護士

小川明雄[オガワアキオ]
1938年東京に生まれる。1961年東京学芸大学英語科卒業。AP通信、朝日新聞社を経て、現在、ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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那由田 忠

3
 道路特定財源の一般財源化でもめた話が中心である。08年に一応一般財源化されたが、事実上道路関連に使われれば意味がないので、かえって実態が見えにくくなったようにも思う。現状はどうなんだろうか。ネットで調べる限りでは分からなかった。もう話題となっていないのが不思議だ。  ただ、冷静に考えると道路の赤字だと騒いでいるが、40-50兆円レベルであって、赤字国債を延々積み上げて1000兆円レベルの財政状況であるから、まだ道路はものが残っているという意味ではよほどマシなのである。悲しい日本の公共投資事情だ。2014/10/13

takizawa

2
国土交通省系公共事業に関する共著の一連の流れを汲む。なぜ無駄な道路工事が行われたり、採算性のなさそうなハコモノが作られるのだろう…?という疑問に答えてくれる本。道路特定財源を一般財源化する試みの座礁だとか、独立行政法人問題だとか、天下り問題についての具体例として読むこともできる。需要の見誤りはわざとやっているとしか思えない。けれども、この手の見誤りは、大規模事業だから官僚が概算書を作れない(から業者の書類を鵜呑みにする)ことに問題の発端があるんじゃなかったかな。2009/02/25

bittersweet symphony

1
08年12月、道路特定財源の一般財源化直前に発売されたもの。直近の情報が結果的に抜けてしまっているため鮮度としてはちと時機を逸してしまいましたが、戦後から引き続く建設業界の利権を巡る政・官・業の癒着とそのシステムがいかに出来上がり続いてきたかを主に法制度面から追求しています。その構造は現在においても表向きを変えて引き続いているように見えます。本書では道路にテーマを限定しているにもかかわらずその噴飯ものの内実が明らかになります。2012/04/03

kaizen@名古屋de朝活読書会

1
著者は道路をどうしたいのだろう。 「間違った交通需要予測」という節がある。 100年の予測から,50年後,20年後,10年後の在り方を考えるとよいのではないだろうか。 安全の視点が弱い。 交通死亡事故の原因の何割が道路の不備によるものであるかを考えたことがあるだろうか。 安全な道路作りが今求められている。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2012/03/06

_udoppi_

1
道路特定財源、そして暫定税率による増税を種に、道路(特に高速道路)建設を中心に際限なく膨張していく政官財の利権構造。よくもまあこれだけ色々なことを考えるなというのが率直な感想。様々な独自規格で高速道路と同じものを建設し、さらに道路だけでは特定財源が余るので、「まちづくり交付金」という名目で中央省庁による独善的な都市再開発やハコモノの建設が進んだ。すべての元凶である道路特定財源を一般財源化し、「土建王国」日本を解体し教育・福祉に予算を振り向けなければ日本に未来はないと主張する。後はとにかく行動するだけだ。2011/04/27

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