岩波新書
漢字伝来

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  • サイズ 新書判/ページ数 216,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004310310
  • NDC分類 811.2
  • Cコード C0281

内容説明

およそ二〇〇〇年前にやってきた中国生まれの漢字を、言語構造の異なる日本語の中にどのように取り入れたのだろうか。朝鮮の文化的影響を強く受けたその伝来の初めから、漢字文化が確立して、漢字に基づく片仮名・平仮名が誕生するまでの軌跡を興味ぶかいエピソードを交えてたどる。日本の漢字音と中国原音の対照表を付す。

目次

第1章 漢字が日本列島にやってきた
第2章 “漢字文化”の伝来
第3章 漢字・漢文学習の本格的な開始
第4章 漢字文化の確立
第5章 漢文の日本語化が始まる
第6章 漢字“日本語化”の完成
補章 日本漢字音と中国原音の関係を知るために

著者等紹介

大島正二[オオシマショウジ]
1933年東京に生まれる。1963年東京大学大学院修士課程修了。専攻は言語学、中国語学。二松学舎大学客員教授、北海道大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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モリータ

10
◆2006年刊。著者の専門は中国語史。日本語の漢字史概説。専門でなくともおおよその流れはそらで説明できなければならないが、ちょっと怪しい部分もある。◆「日本語の歴史のなかで、〈訓〉がいつ成立したかを厳密に確定することはむずかしい。『万葉集』(七八〇年頃成立)には、〈訓仮名〉というかたちで、固定した〈訓〉の存在を前提とするタイプの万葉仮名(「羽」「田」など)が用いられている。つまり、〈訓〉が固定すると、漢字を日本語として読むことが可能となり、その〈訓〉を表音的に用いるようになる。これが漢字の〈訓仮名〉(続2022/07/01

umeko

10
漢字の音読み訓読みから、片仮名、平仮名誕生までの長い歴史を考えると、こうして日本語で感想を書くことにも若干緊張してしまう。2013/10/18

ひよピパパ

4
中国からもたらされた漢字を、古代日本人がどのように咀嚼して、文化の中に取り入れていったか、その苦労のさまがよく分かる。日本のみならず、韓国や東南アジア諸国も視野に入れながら論じられるので、巨視的視点で漢字を独自に取り入れていった日本文化の特質を理解することができる。日本における漢字の「今」が語られず、若干尻切れトンボの感があったが、大変勉強になる書だ。大島先生のファンになりそう。2018/08/03

nata

4
日本における漢字受容の歴史。今の私たちが思う以上に大変な時間と試行錯誤を経ている。古代朝鮮の吏読との関係や、西夏文字など他の中国文化圏の文字についても興味深い。ただし、専門的で難しく感じる部分も。2016/10/05

isao_key

4
日本が中国の漢字と出会って以来、試行錯誤を繰り返し漢字を日本語へ置き換え、かなを完成させていく歴史的移行が述べられている。漢文が日本語化する過程の話も面白かったが、特に面白かったのが、今は滅びてしまった文字を紹介した記述。元朝期に作られたパスパ文字。誇り高きモンゴル人は決して漢字文化を受け入れなかったが、元朝滅亡とともに文字も亡くなってしまう。さらに朝鮮で漢文が日本語のように自国語とはならなかった理由や、遼の契丹文字やタングート民族の西夏文字、金の女真文字など言語学についての興味深い話が多く語られている。2012/10/07

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