出版社内容情報
前漢の司馬遷から清代の鄭板橋・呉敬梓まで.中国文学史から10人の文章家を選び出して,人と作品を縦横に語る.時の権力に対峙する者,背を向ける者,自立を目指す者,十様の生の軌跡が確かな輪郭で歴史の中に浮び上がる.
内容説明
あるいは史書を著しあるいは詩文を作り、また画筆をとり、書に遊ぶ人びと―前漢の司馬遷から清代の鄭板橋・呉敬梓に至る雄大な中国文学の流れの中から十人の文章家を選び出して、その人と作品を縦横に語る。時の権力に対峙する者、背を向ける者、自立を目指す者、十様の生の軌跡が確かな輪郭で歴史の中に浮かび上がる。
目次
第1章 危機を生きた文人(司馬遷―「発憤著書」の歴史家;孔融―偏屈な才子;〓康―抗う竹林の隠者;顔之推―処世に徹した文人)
第2章 快楽を求める文人(蘇東坡―逆境に動じぬ生の達人;楊維〓―「文妖」と呼ばれた快楽主義者;鄭板橋―自立する文人画家)
第3章 物語世界の創造者(元〓―中国最初の小説家;湯顕祖―大戯曲家の反骨精神;呉敬梓―気ままに生きた諷刺作家)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
99
中国の文人たちを、歴史的な背景を述べながら紹介していく新書。歴史と漢詩が好きな私にはたまらなく面白い内容だった。いつの時代にも権力者との関係が難しい。司馬遷をはじめとする文人たちは硬骨漢が多く、極端な場合は命を失う危険に直面する。そんな時でも自分の行き方を曲げない人物が多くて、読んでいて胸のすく想いがした。私の好きな詩人蘇東坡の生き方が理想的かもしれない。流刑の憂き目にあった時も、人生を楽しむ術を見つけて悠々と生きた。食べ物が少ない時は、日光を咀嚼すると言う愉快な随筆を残しているそうだ。2018/04/15
佐島楓
13
時の政治権力に翻弄され、あるいはエリートの道を捨て、文章家として生きることを選んだ人がこんなに存在していたことを知った。やはり理解を深めるということは大事。2014/03/02
秋山真琴
4
危機を生きた、快楽を求めた、物語を書いた。3つのグループに分けて、前漢(紀元前206年)から清代(1911年)までの、中国二千年の歴史から10人の文章家をピックアップして紹介するという一冊。各時代を代表する人物を紹介しているので、ざっくりと把握するのにも役立つ。分量的には、顔之推に割いている量が多く、著者の好きな文章家なのかなと。2014/09/27
あんどうれおん
2
その名と仕事を歴史に残す著述家のうち十名について、生涯を概観しつつ代表作の成立に関するエピソードをまとめた本。まさしく「列伝」だと思います。参考文献だけでなく、本文中で言及された古典の名作を読みたくなる一冊です。2022/02/23
ビキタン
0
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