岩波新書<br> 子どもと自然

岩波新書
子どもと自然

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784004301134
  • NDC分類 489.9
  • Cコード C0245

出版社内容情報

子どもを取り巻く環境から,ますます自然が失われつつある現代,ヒトの子育てもさまざまの新しい問題に直面している.人類学の立場から,サルの社会とも比較しつつ,自力で生きる能力の衰退,家族の変容など現在の状況をふまえて,人間の発達にとって自然の果す役割と,これからの教育はどうあるべきかを考える.

内容説明

子どもを取り巻く環境から、ますます自然が失われつつある現代、ヒトの子育てもさまざまの新しい問題に直面している。人類学の立場から、サルの社会とも比較しつつ、自力で生きる能力の衰退、家族の変容など現在の状況をふまえて、人間の発達にとって自然の果す役割と、これからの教育はどうあるべきかを考える。

目次

1 内なる自然(人間はどこへ行くのか;サルからヒトへ;未熟からの出発)
2 発達と母子関係(霊長類の子どもたち;愛情としつけ;あそびと社会性)
3 学ぶ・教える・育てる(行動の進化;学習と個性;知の楽しさ;からだで覚える)
4 家族とは何か(家族の誕生;インセストタブー)
5 文化と自然(若者が文化を創造する;自然に親しむ)

著者等紹介

河合雅雄[カワイマサオ]
1924年兵庫県に生まれる。1952年京都大学理学部卒業。専攻は生態学・人類学。現在、京都大学名誉教授・兵庫県立人と自然の博物館館長・日本福祉大学客員教授。著書に『少年動物誌』(福音館書店)(野田児童文芸賞推奨作品賞)、『人間の由来(上・下)』(小学館、毎日出版文化賞)、『小さな博物誌』(筑摩書房、産経児童出版文化賞)ほか
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テディ

16
人間はどこまでいっても生物で、その生物の側面から人間の子どもの発達を見る。生物というのは、具体的にはサルを扱っています。視点を変えると面白いという好例ではないでしょうか。そうやって様々な視点から物事を見ることの大事さというのは覚えておきます。2015/12/30

佐島楓

13
ヒトはあまりにも自然を不自然に変えてしまった。人間も動物の一種であることを忘れてはいけない。2011/08/08

寝落ち6段

10
類人猿の生育と人間の生育の過程を比較した。その差から、人間がどのように人間としての生活を獲得していったのか、大変興味深い話だった。差だけではなく、共通することも多く、果たして今の子どもたちはその年で獲得すべき力をつけていけるだろうかと心配になる。特に子ども同士の遊びの激減が問題だと私は考えている。今、スマホやインターネットを介した面と向かわない遊びが子どもたちの中でも根強くなっている。子どもたちが集団で遊ぶ中で獲得するはずのルールやマナー、教えられる教えるの関係性、自然物への発見などが薄れていると思う。2020/03/18

じょうこ

6
30年以上も前の本だが、このAI時代にこそ再読したい子育ての本。私は子どもの「自然観察」指南の本だと勘違いしていました。読んでよかった! サルからヒトへという「進化史を通じて人類の存在の根本を形成している諸性質」=”内なる自然”と名づけ(私たちの心の奥深くに作られたもの)、この自然について、家庭、母子、文化、学習等、著者のサル学の知見とともに具体的に語られる。中でも「あいさつは心のチャンネルを通じ合わせる行動」という言葉にハッとした。笑顔、声、手ぶり身振りの快感を思い出す。コロナとスマホで奪われぬように。2023/09/10

ジュリ

4
サルの場合は、集団から隔離して育てると子育てをうまくできなくなったり、仲間と合わせてもうまく行動ができないようだ。人間も子供同士で遊ぶことが少なくなり、それが社会でうまく行動できない原因になっているのではないかと思う。2017/01/13

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