出版社内容情報
「食べる丸薬」と称されるほど栄養価の高い貴重な食品・ゴマは,古代アフリカのサバンナに生まれ,絹の道よりはるかに遠い「ゴマの道」を長年月かけて旅して,極東の日本にまでやってきた.旅の途上で多種多様のゴマ食文化を生み,粗野な味と姿はしだいに洗練されてゆく.ゴマ一粒にこめられた壮大なロマンをたどる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
33
熱帯サバンナで見出されたゴマは油や香料としての価値を愛され、中東、地中海、インド、中国、最後は日本へと瞬く間に広がっていった。中央アジアで温帯適応したゴマが黒ゴマとして、熱帯タイプは白ごまとして、生産効率の良い品質や小粒、大粒など多種多様の品種が生み出されている。著者の戦争時の食料増産の観点から始めた研究が戦後の系統研究より品種改良が進み、途上国支援につながっていることも素晴らしい。セサミストリートてやはりゴマ関係だったとは。ゴマすりやゴマかすなど言葉の文化も興味深い。2021/05/23
ヒダン
16
タイトルが完全に「セサミストリート」だと思ったら、本当に「セサミストリート」が出てきて驚いた。由来はなかなかいい話だった。ゴマは栽培種は一種のみ。マイナーチェンジはあるもののアフリカを発祥の地として全世界に広まった。植物でありながら油脂を摂取できるという栄養面での特長により、各地で貴重品として受け入れられた。日本はセサミストリート東端に位置し、様々な改良品種を育ててきた。進化の歴史でもあり、栄養、分子や植物についてでもあり、世界各地の地理に関わる話でもある。ゴマという一テーマから重層的に話が広がっていく。2017/09/05
takao
0
アフリカから2ルートで。2016/02/05
pyon35
0
ゴマに対する愛情溢れる一冊でした。野生種からの進化や各古代文明の伝播過程など面白かった。ひとつ家庭菜園で栽培してみようか。2014/07/12
nozma
0
歴史にこんなにもゴマが関与しているとは。マクドナルドとセサミストリートの下りはすごい。アンダーソン兄弟どんだけゴマ好きなんだと。2013/08/26