出版社内容情報
ことばを話し,笑い,手を使ってものを造る.また群れをなして社会を形成し,時間を考え,学習し,死の恐怖を知る.いずれも人間にのみ備わった能力である.その人間としての機能を司る中枢,すなわち脳の働きと,知性,感情,行動との関連をとらえ,人間の全体像を明らかにする.教育をはじめ,あらゆる領域に対する問題提起の書.
内容説明
ことばを話し、笑い、手を使ってものを造る。また群れをなして社会を形成し、時間を考え、学習し、死の恐怖を知る。いずれも人間にのみ備わった能力である。その人間としての機能を司る中枢、すなわち脳の働きと、知性、感情、行動との関連をとらえ、人間の全体像を明らかにする。教育をはじめ、あらゆる領域に対する問題提起の書。
目次
人間とはなにか
人間の祖先
人間の身体を操る神経系
人間の脳の構造
人間を形成する脳
人間の生きる姿を支える脳
人間の脳のハードウェアとソフトウェア
健康であること
食べること
交わること〔ほか〕
著者等紹介
時実利彦[トキザネトシヒコ]
1909年‐1973年。1934年東京大学医学部卒業。専攻は脳生理学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かなっぺ
77
読了!2014/02/15
おさむ
43
人間の脳の働きをわかりやすく説く名著。群がる本能や情動をもつ大脳辺縁系と「うまく」生きていこうと他を否定する新皮質系。この二つの機能が併存する矛盾をつねに脳は抱えています。人間は酒や歌、踊り、勝負事で前頭連合野のはたらきを麻痺させて、気苦労や不安、心配を解消できる。人間の特長は、勉強や仕事、創造の喜びの心によっても同様に欲求不満を解消できる点が凄い。こうやって改めて説明されると、物事を客観的にみることが出来ますね。2016/05/27
あきあかね
23
食べること、交わること、健康であること、学習すること、考えること、ことばを話すこと、創造すること、喜ぶこと·悲しむこと、笑うこと·泣くこと、生へ執着すること、夢みること、遊ぶこと、いのちを尊ぶこと、人間であることー。 医学部で脳生理学を研究する著者は、上記のような20を超える切り口から、この不可思議な人間という存在に迫っていく。人間の脳の機能に着目し、「生きている」姿(反射活動)を担う脳幹·脊髄系、「たくましく」生きてゆく姿(本能行動)を担う大脳辺縁系、「うまく」生きてゆく姿(適応行為)と、⇒2021/09/09
nobody
13
その辺の新書のようにただやっつけ仕事で書散らされてはおらず、骨子があり体系立っている。積年の疑問が氷解するような目からウロコ的なことが凝集しており、例えば女のオトし方なんかは何百ページもある本を何冊も読むよりも本書の第10章「交わること」6ページを読んだ方がよっぽど役立つだろう。ただし元々医学生向けに書かれた前著の応用編なので骨はある。さて驚いたのは、人間らしさを司る象徴である前頭連合野の機能として、一般的イメージであるイケイケドンドンのやる気・意欲等のプラスの意志力よりも、忍耐・抑止等のマイナスの意志力2021/10/29
Kei
11
人間の機能等を書いている。ちょっと古い本で脳に関する所はかなり遅れていると思う。古典からの引用が多く、その点は色々と刺激を受けた。2017/01/12