出版社内容情報
経済学史に新しい局面をひらいた古典的著作.個々の学説の単なる記述にとどまることなく,それぞれの時代の中で直面する問題によって様々な外貌を示す諸学説の展開を,静態的・動態的にくまなく理解し,科学としての経済学史を築こうとする.経済学の発祥から,歴史学派や限界効用学説にいたるまで,簡潔・的確に叙述されている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
18
古典的な経済学を概観するのによい。 シュンペータの自説に拘るというより、学史をまとめてみたら、こんなことが見えたという感じがシュンペータの理論かもしれない。2019/08/07
Z
11
ケインズが出てくる前までの経済学史。重農主義以前(経済学というより経験的)、重農主義(国富という、一国を単位とした経済単位の創出)、近代経済学、歴史学派と限界効用といった4つに区分。特にリカードをメインにすえた、近代経済学の分野が凄まじい、が説明不足でもありもどかしい。誰々が、一定の条件のもとで、関税を課した状態でも貿 易が経済の効率化を最大限になるということを証明した、資本移動がある状況でのみリカードの比較優位は正しい(貨幣移動と区別されているので、具体的な工場設立等の資本投下を指すのだろうか?)など2018/11/30
Z
10
もっと詳しい説明が読みたい箇所が多々ある。シュンペーターはこれよりも長大な、何刊にもわたる経済学史を書いてるが、ざっと目を通したところ、この本で疑問を持った点についてあまり触れてないような。その点で疑問が増えるような本かもしれないが、経済学の歴史をケインズ以前であれ、纏めるところはすっきりまとめたことはすごいと思う。2018/11/30
Francis
10
シュムペーター先生の三つの主著の一つ。第一次世界大戦の始まる年に書かれた本なので今の主要経済学たるケインズ経済学のことは一言もないのが時代を感じさせる。ドイツの歴史学派、リカードウ・マルクスの労働価値説に一章を割いているのが特色の一つ。他の方のレビューにもあるけど、これはある程度経済学の知識を持った人でないと読めないのでご注意。2016/06/08
CCC
7
あー難解。色々知ってること前提の解説してくれない記述のせいか、はたまた切れ目の悪い文章のせいか、全然頭に入ってくれなかった。晋平太とシュンペーターって似てるよなあ、みたいなモチベーションで読むものじゃなかった。でもまあ妙にJ.S.ミルを特別視してたりするところとか、興味を惹かれる部分もないでも無かった。2017/08/20