出版社内容情報
ダランベールが「怒れる小羊」と評した著者は,貴族の家に生まれながらその生涯を革命に投じた.本書は彼が官憲の追及をのがれ,身をかくしていた最も困難な時代に,そばに1冊の参考書も置かず一気に書きおろしたもので,限りない人間に対する信頼にあふれ,単なる思想史というよりも,人間への讃歌というべきものであろう.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
31
迷信と暴政による知識の頽廃、全ての誤謬は哲学から物理学的誤謬へと文明の頽廃から人間精神は進歩したが自由と幸福の為にはほとんど何もしなかった。読書人口を想像すれば今の時代も以下同文。あらゆる社会毒に知らぬ間に侵され続けていく。良質な読書は愚民に成り下がるまいとする合理的反抗でもある。2019/07/08
コラッジョ
2
一言で言えば、フランス革命時代に現れた”狂人”である。 人間が、”進歩する”、昔の人間よりも”進歩している”と考えられる時点で頭がおかしいと思われる。 例えば、孔子や孫子はコンドルセから見ても2000年近い昔の人間だが、コンドルセの同時代の虐殺狂のフランス人と比べれば百万倍マシで立派な人物であろう。 ”人類は進歩しない”。 この当たり前の事を理解せねばならない。2016/06/08