岩波文庫
モーツァルトの手紙 〈上〉 - その生涯のロマン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 289p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003350416
  • NDC分類 762.346
  • Cコード C0100

出版社内容情報

モーツァルトの手紙には深遠な芸術論や人生に関する哲学的な省察が述べられているわけではない.その大部分は身辺雑事の報告である.少年時代から死の直前までを年代順に選び配列した二一四通は,天才芸術家もまたわれわれと同じ弱さを持った人間だったことを語る.故にかえってその音楽は一層懐しくまた崇高に響いてくるのだ.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月讀命

55
この本は、私の究極のツンドク本であった。昭和58年、上・下巻合わせて850円でこの本を購入し30年間積んであったが、今始めて読み進めた。何故、当時この本を購入したかというと別段読みたかった訳でもない。唯、モーツアルトの音楽に魅せられて、彼自身に興味を持って衝動的に購入した。(今も彼の音楽は好きである。)モーツアルトは、ミューズの落とし子と言われる程の天才作曲家であり、その音楽は人間離れした神様の領域の作品である。しかし、彼の手紙を読む限り、無邪気な子供で喜怒哀楽がある普通の人間である事がわかる史料である。2013/09/14

よみこ

12
「旅をしない人間はみじめです」といって故郷ザルツブルクから抜け出し、マンハイム、パリ、ヴィーンと就職活動を続ける二十歳前後のモーツァルト。人間関係の糧に曲を書き続けては現実に直面し葛藤する一人の青年。分かってほしい、認めてほしい、と絶対的存在の父親に向けて綴られる手紙の数々。2019/05/25

らい

8
先入観と違って、不器用だけど純粋な人だなぁ。もっと放埒な人かと思っていたけど内省的だし。簡易な言葉で紡がれる手紙の中でも、時折り書かれる核心を真っ直ぐに掴むような表現が良かった。音楽に関する文章はやっぱり天才なんだなぁの一言。批評、作曲、演奏、何にしても大切なことが見えていて、それをそのまま平行移動する様に実際の音と照らし合わせている感じ。その自負が金銭的な要求や亀裂なんかにも繋がっていたんだろうけど。2020/10/19

Timothy

3
上巻は1769年(13歳)から81年(25歳)まで。ベートーヴェンのものと異なり、解説に多く紙幅を割かないかわりに収録数を多くとっている。殆どがモーツアルトの手によるものだが、実に具体的また感情的に書かれているので、衝動的で熱し易く冷め易い息子の様子に気を揉んであれこれと口を出す父レオポルトの姿まで目に浮かぶようだった。それにしてもよく書く。コロレドとの決裂のあたり、期待した反応を父から得られていないことは文面から明らかであり、返信が嫌になりそうなものだが、引っ切り無しに書き送っているのが不思議だ。2018/03/04

aizum

3
あまりに人間的な数々の書簡2010/08/26

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