出版社内容情報
張岱は明末清初の文人・史家,号は陶庵.明朝瓦解までの前半生,およそこの世にある美しきもの,楽しきもの,愛すべきものはこれをとことん貪って飽くことを知らなかった.窮迫の後年,若き日の「美しかりし夢」を追憶して成ったのがこの一書であって,江南の飲食・風習・人物・自然・奇譚などを無類の筆致で書きとめている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tsu55
17
『浮生六記』が良かったので、ほかの中国の随筆も読んでみたくなって手に取った。 富裕な名家に生まれ、風流を尽くした暮らしをしていた著者の張岱が、明滅亡後、世を逃れ、赤貧洗うがごとくの生活の中で明時代の風流人の暮らし、江南の風物を回顧したもの。 覚悟はしていたのだけれど、知らない人名、地名、故事がわんさと出てきて、手こずった。2020/08/06
イタロー
2
とてもいい随筆。ある典拠が示されているところでめちゃめちゃに興奮した。たぶん日本では私だけだろう!? 場所は秘密。2021/12/20