岩波文庫
異人その他 - 他十二篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 277p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003319611
  • NDC分類 389.1
  • Cコード C0136

出版社内容情報

日本の民族学=文化人類学に大きな足跡を残した巨人岡正雄(一八九八―一九八二)の全貌に迫る論文集.柳田・折口学,シュミットの歴史民族学を批判的に継承しつつ,「種族文化複合」という独自の理論によって日本民族文化の形成を方法的に究明する.そのユニークな着眼と構想は,いまなお重要な問題と興味深い示唆に富んでいる.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シンドバッド

8
寡筆の著者の論文を手軽に読める。 『異人その他』と『琉球=日本における秘密結社組織』が最も刺激的で、深く知りたくなる内容であった。2017/07/10

うえ

6
メラネシア社会史の日本文化史への暗示「①異人が幾度にかまた季節を定めて訪来したこと②異人は先住民より亡魂または死者そのものと考えられたこと③異人は海の彼方から来るものと信じられたこと。後には山中の叢林より来るとも信じられるに至ったこと④異人は畏敬されつつも平和的に款待されたこと⑤異人は食物の饗応殊に初成物を受けたこと⑥異人は海岸地には住まずして山中の叢林中に住みしこと⑦異人はdual organizationの構成の原因となりしこと⑧異人が土民の女と結婚する必要のありしこと」2019/04/04

ばん

6
日本民俗学というものが、民族的に把握されていないことを指摘しつつ、文化を担う人びと=民族の類型的・構造的比較を提案する論集。彼は日本文化が多様で多層的な繋がりをして形成されていることを、異人や、母系・男系社会、秘密結社などを中核として明らかにしていく。その手際の鮮やかさや、明らかにされる事実の規模には圧倒されるものがある。黒潮だけでなく、環太平洋における文化的類型が、どこまで比較研究に影響を及ぼすかは、民族=担う人々の行き交いが文化を形成するとすれば自ずと均質化され、かつ混淆することを考えれば分かる話だ。2013/01/20

Takashi 

4
神の出現を垂直的表象(降臨)と水平的表象(来訪)に二分する、同族組織と年齢階梯制というふたつの異なる組織、5系列の文化複合など、本書には日本民族形成論や日本文化論の基層となる卓見が随所にみられる。個人的には、世界各地の類例から説話の拡散やその歴史について論じる「太陽を射る話」が、明快な方法論による分析でとくに興味深かった。2019/02/23

Hiroki Nishizumi

3
それにしても日本琉球と南太平洋の島々は類似性がある儀式が残っていて面白い。実はアカマタ・クロマタ・シロマタの写真を始めて見た。秘祭ゆえメディアにも載っていなかったが、こんなところで知り得るとは!2018/11/02

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