岩波文庫
清沢洌評論集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003317822
  • NDC分類 304
  • Cコード C0131

出版社内容情報

『暗黒日記』の清沢洌(1890-1945)は,大正から昭和の戦前・戦中にかけて,外交問題を中心に論陣をはったジャーナリスト・評論家.「甘粕と大杉の対話」「愛国心の悲劇」など,リベラリスト清沢のエッセンスを集めた1冊.

内容説明

第二次大戦中の日記「暗黒日記」で知られる清沢洌(1890‐1945)は、大正から昭和の戦前・戦中にかけて、リベラリズムの立場から外交問題を中心に論陣をはったジャーナリスト・評論家。「愛国心の悲劇」「甘粕と大杉の対話」など、先見的で、現代においても示唆するところ多い、リベラリスト清沢の評論のエッセンスを集めた一冊。

目次

1 渡米中の評論―一九〇六‐一九一八(米国通信;日本の社会とその感想;日米問題の現状)
2 新聞記者時代―一九二〇‐一九二五(日米の関係;『モダン・ガール』(抄)
軍備撤廃の期到る
甘粕と大杉の対話
愛国心の悲劇)
3 恐慌から戦争へ―一九二九‐一九四〇(『アメリカは日本と戦わず』(抄)
『非常日本への直言』(抄)
『激動期に生く』(抄)
現代ジャーナリズムの批判
『混迷時代の生活態度』(抄)
『現代日本論』(抄))
4 戦時下の構想―一九四一‐一九四五(日本外交を貫くもの;戦後世界秩序私案)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

6
リベラリズム。今の選挙戦は右傾化し、この立場が改めて有権者に喚起されてよい。「日本人は動かない国民、米国人は動く国民」(16ページ)。つまり、国民性は全く真逆。その後日米安保で弱者に皺寄せ。本来政治がすべきはこうした問題是正。実際は思いやり予算。これも止める必要がある。福沢諭吉は排日問題が起こると予見していた(38ページ)。「学問に対する侮辱が近頃ほど甚だしい時代はない」(292ページ)。長野県穂高の出身という冽(きよし)氏の自由への渇望。選挙結果によっては、自由が相当なくなる。戦時日本を望む人はいない。2012/12/13

横浜中華街2024

4
「暗黒日記」の姉妹編。1930年代前後に書かれたものが中心のため、内容はやや楽観的な印象。「中庸的進歩主義」の団体もしくは政党は現在最も必要とされているのではないだろうか。 - 筆者は平和主義と自由主義が信条 - 資本主義・封建主義(マルクス主義)ではなく自由主義を信奉する (マルクス主義は封建主義と同じ) - 右翼でもなく左翼でもなく中庸的進歩主義 - The United Nationsを「国家連合」と翻訳 2016/11/09

gkmond

1
結構面白い論がいくつか入っていた。「甘粕と大杉の対話」の紹介を読んで買ったんだと思うが(20年くらい前なのでよく覚えてないんだけど)、同作については今読むと霊言じゃねえかと半笑いになってしまう。それ以外はところどころ引っかかりつつ(検閲対策なのか本心なのかわからないので首傾げるしかできない)、読む価値ありなとこ多くてちょっとお得感。もっと読みたいが本書含めて生きてる本がないのも出版界の忖度なのか時流なのか。もったいないなあ。2024/03/16

カラコムル711

1
暗黒日記と平行してこれも読む。全文熟読まではしてないが、なかで良いと思った論は、「軍備撤廃の期至る」、「愛国心の悲劇」、「激動期に生く」、「戦後世界秩序私案」などで、特に「軍備・・」は面白い考えで戦後の憲法9条の先どりのような論だ。「戦後世界秩序・・」は国際連合がその名前も未定の時、その構想に批判を加えたもので実に先見的な論である。石橋湛山や吉野作造の評論集も読めばより為になるだろう。2015/11/19

linbose

0
★★★★★2012/09/10

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