出版社内容情報
虎.馬.犬.鶏.十二支の動物はいずれも人間と深い関わりを持ち,人類の歴史とともに成長して,説話となって私たちの生活と結びついている.これらの動物について,古今東西の典籍を渉猟し尽くした著者(一八六七―一九四一)が,年の始めに蘊蓄を傾けた結果が本書である.奔放な語り口で自在に繰り広げられる知の饗宴.(解説 宮田 登)
内容説明
犬と猫はなぜ仲が悪いのか。人や他の動物の寿命はどのように決まったか。猪と蝮の関係は?…それからそれへと興味つきない話の数々。下巻には羊、猴、鶏、犬、猪、鼠の各篇を収録。
目次
羊に関する民俗と伝説
猴に関する伝説
鶏に関する伝説
犬に関する伝説
猪に関する民俗と伝説
鼠に関する民俗と信念
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ノコギリマン
29
読了。ちょいちょいはさまれるシモネタがステキでした笑2015/10/17
∃.狂茶党
21
『ユリシーズ』と『百合若大臣』の類似について述べられている。偶然などではなく、伝わってきたのが混ぜられたのだろうとのこと。 極東の島国といえども、中国やペルシャ、ローマ、インドといった大帝国の影響は及んできてるし、日本のように小さき他の国々とも、似たようなものが発生している。 干支にまつわる話として書き連ねられているが、関東大震災で雑誌が一旦休刊、鼠の話を別の雑誌に発表し、牛の話は書かれることがなかった。 もし書かれていたなら、件と牛女について書いていたかもしれず、大変惜しい。 2023/05/31
miyatatsu
7
下巻も同様に非常に詳しい情報で、とても楽しみながら読むことができました。2019/01/30
蛇の婿
5
下巻。羊から鼠まで。牛がないのが残念。もし牛に関する考察があれば、それはかなりの量となり、さらにこの人の考察となれば、きっとすごいものになったろうになぁと本気で残念でならない。
みつ
3
四半世紀前に購入し、折に触れ興味の赴くまま順不同で読んできた本。したがって読了日は不明だし、完読したどうかも実は怪しい。本の構成など全く顧みず、時代と地域を自在に横断して洪水のように語られる博引旁証ぶりのすさまじさに圧倒される。それだけに異常に読みにくい書物でもあるが、伝説的なこの人物を彷彿とさせる点でも好適。実は年賀状に添えるべく干支の雑学を仕入れようと邪な考えで購入したが、早々に断念。なお、『十二支考』とはいうものの、来年の干支である牛(丑)は抜けているので、同じことを考えた方は、その点でもご注意を。