出版社内容情報
婦女子のための教訓書.不孝な人には天罰がくだるという因果論にはじまり,8項の教訓に例話をあげてそれに評を付する.陽明学の明徳思想と仏教思想を一体とした「明徳仏性」を基本に,中江藤樹(1608‐1648)の人生観と宗教観が如実に反映している.
感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
6
かゞみくさ。「世間最上の幸福は常に明徳仏性を明かにする」もの(53頁上注)。挿絵が適宜あるので、情景を浮かべて読むことはできる。口語訳があるとよい。70頁の挿絵は犬の顔が人間になっていたりして、誠に滑稽である。「人間の生樂は、身やすく心たのしぶにきはまれり」(117頁)。生活上の楽しみなければ、生き甲斐がないな。読書Mは生き甲斐です。ありがたや。「人間は義理をもて命の根とし、福(さいは)ひの種とし、一生の樂みとするものなれば、まづしくいやしきことは恥るところにあらず、くるしぶところにあらず」(128頁)。2014/01/29