出版社内容情報
この作品は,ひたすら官能の世界に惑溺し,恋のもつれから遂には死にいたる一青年の姿を,愛欲と自我の葛藤を軸として描いたもので,ダヌンツィオ(1863‐1938)の世紀末的耽美主義の代表的小説である.官能的悦楽と陶酔の極致として死への憧憬をうたうが,個人主義的自我の限界も示している.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lieu
1
これは贅沢な小説だ。神経と官能と思考をいっぺんに刺激する。言葉に酔える。ワーグナーと三島由紀夫とホフマンスタールのエキスを混ぜたような小説といったらいいのだろうか。 2018/11/28
KUMAGAI NAOCO
1
主人公ジョルジオは愛人イッポリタとの関係に溺れながらも、崩壊しかけてる自分の家族のことや、自分がこのままで良いのかを悩んでいる。イッポリタは付き合い始めてから二年目の倦怠期の予感を覚えつつも、ジョルジオなしでは生きられない。三島由紀夫の作品にインスピレーションを与えたらしい、アドリア海の海辺の話。2014/09/28
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