岩波文庫
セビーリャの理髪師

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  • サイズ 文庫判/ページ数 191p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003252222
  • NDC分類 952
  • Cコード C0198

出版社内容情報

ロッシーニの作曲によってイタリア歌劇屈指のレパートリーとなった『セヴィラの理髪師』。それは伝統的喜劇の骨格に一八世紀の精神と感情をもった本格的喜劇であり、同じ作者ボーマルシェ(一七三二‐九九)による今ひとつの喜劇『フィガロの結婚』とならんで一八世紀フランスの演劇史上最も陽気で最も機智に富んだ最も面白い作品である。

内容説明

深窓の令嬢のロジーヌに、一目惚れしたアルマビーバ伯爵。早速身分を隠して熱烈な求愛開始、ライヴァルはなんと彼女の後見人!街の理髪師フィガロの加勢で、あの手この手で攻める伯爵、宝は渡さじと守る老医師、二人の恋の知恵比べはいかに。「フィガロ三部作」の第一作、痛快無比の傑作喜劇。ロッシーニ歌劇の原作(新訳)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

114
原作を読んだのは初めてだが、1775年チュイルリー王宮での初演といえば、バスチーユの襲撃までは10年余りと迫った時期。本編には直接そうした危機感は見られないが、アンシャンレジームの揺らぎは、劇にも影を落としているようだ。もっとも、劇はフランスを舞台とはせず、遠くセヴィリヤの物語として描いているのだが。ただし、ボーマルシェの原作よりも、軽快でいて陰影に富む序曲に幕を開けるロッシーニのオペラの方がはるかに有名。これがなければ、後世に知られることはなかっただろう。オペラは冒頭こそ幾分違うが、概ね原作には忠実だ。2014/03/06

のっち♬

108
深窓の令嬢に恋する伯爵は理髪師フィガロと結託し、恋敵の後見人を相手に立ち回る。痛快な才気を放つ伊達男フィガロに加え、金に弱い音楽教師の存在が話の主軸となる一進一退の攻防に活気と柔軟性をもたらしており、とりわけ後者が追い払われるくだりにはユーモアが効いている。一方で、卑劣な誹謗中傷に対する怒りも込められており、これに屈することなく絶えず機転を利かせて活路を開く様には作者の人生の縮図を見出すことも可能だろう。その生き様は「涙するのが嫌なばかりに、なんでも急いで笑い飛ばす」フィガロの人生訓からも直に感じられる。2021/05/22

NAO

58
フィガロは町の何でも屋。素早い機転と、抜け目ない策略がお手の物。恋の手助けをしたら再び彼の従者になれると下心満々で、アルマビーバ伯爵を、鉄壁の守りの中に閉じ込められたロジーヌと結婚させようと画策する。展開の面白さだけでなく、この戯曲は、セリフも面白い。道化役として、伯爵側にフィガロ、バルトロ側にはピアノの教師バジールがいるのだが、この二人のセリフが、当時の社会情勢や貴族たちを痛烈に風刺している。2017/09/24

12
戯曲はずっとどう楽しめばいいのかがわからなかったが、これを読んで戯曲の楽しみ方がわかった。感じればいいのね。それだけわかっただけでもかなりの収穫だと思う。結構声だして笑うとこもあり初めてちゃんと戯曲を楽しめたなって感じ。「人を不当に扱う男っていうのは、どんなにうぶな娘でも、しまいにはずる賢い女にしてしまうんだわ。」(80p)はなかなかの箴言では。男だけじゃないよね。面白かった!すごく!訳者解説で作者の生涯も丁寧に紹介してあってありがたかったけどくどくて読むのめんどくさかった。作者もかなり面白い人みたいね。2014/09/04

sun

8
オペラの原作はなるべく読むようにしていたが、喜劇はあまり読んでいない。ロッシーニより文学的。当たり前か。作者の生涯が面白い。2014/03/31

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