岩波文庫
ドイツ古典哲学の本質

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  • サイズ 文庫判/ページ数 276p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003241851
  • NDC分類 134.02
  • Cコード C0198

出版社内容情報

ハイネは詩人であったばかりでなく,また思想家,革命家であった.本書はその原書名『ドイツの宗教と哲学との歴史のために』が示すとおり,宗教改革からヘーゲルまでのドイツ思想史である.最初はフランス人のために書かれたもので,その叙述は明快で機知に富む.ドイツ古典哲学の革命的本質を説いたものとして有名である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

21
1834年初出。「ルターの宗教改革によってドイツでは思想の自由がみとめられることになった」(71頁)。 人を喚起させる、ドイツ宗教改革のマルセイエーズなる歌があるとは知らなかった(82-83頁)。 ジョン・ロックはデカルトの弟子になった(98頁)。 スピノザはデカルトの三男、長男ロックで、次男はライプニッツとのこと(110頁)。 そんな感じで今後は文献をあたってみたい。 2014/03/14

きゃんたか

14
「びっくりするほどわけがわからない」ドイツ哲学の意義を人民に知らせるため、革命的動機で書かれたドイツ古典哲学概論。神に選ばれし「完全な人間」のもたらした宗教改革が現代ドイツ語、思想の自由、及び近代文学を確立。専制君主的カトリック伝統から解放されるも、今度は「聖書の字句」がドイツ思想界を妨害。フランス革命によって王政が倒されたように、超越神論はカント革命により証明の不可能性を論証される。ゲルマンの民間信仰に親和性を持つスピノザ的汎神論は、ゲーテの詩歌に形を変えてヘーゲルの自然哲学に発展。マルクス時代の到来。2016/04/02

しんすけ

8
本書は哲学書ではない。ハイネの祖国ドイツが、なぜ近代以降世界有数の哲学国になったかを自身の疑問を含めながら解き明かした随想風の本である。さらに本書は、ぼくがマルクスに感電する素地を与えた本でもあった。『純粋理性批判』を語る際も、アプリオリやアポステリオリの概念など意に介して無いかごときに、明快である。「カソトは神の存在を証明するすべての方法をぶちこわして、われわれに示そうとしたのかも知れぬ。p183」とハイネは語る。「証明できないことを証明する」のは面白い。だがハイネはこれ以上は立ち入ることもない。 2017/12/29

Ex libris 毒餃子

5
フランス人を煽るドイツ人。2023/10/12

amanon

3
購入して二十年以上を経てようやく読了(笑)。これまで何度かトライしてきたが、ことごとく挫折。今回改めて手にとってみて、過去なぜ読了できなかったがようやく理解できた。要するにキリスト教や宗教改革についての知識があまりに足りなさすぎたのだ。読む人によっては鼻に付くこともあるようだが、亡命先のフランスで書かれたということで、フランス的な軽妙さをたたえた文章が心地よい。時代的な制約もあり、やや偏見がきつ箇所や、不正確な記述も見受けられるが、宗教改革からドイツ観念論への流れを手際よくわかりやすくまとめた良書。2016/08/24

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