出版社内容情報
1855年,12篇の詩を収めた初版を刊行して以来,生涯にわたって改訂を重ねた全詩集『草の葉』の完訳.402篇を収めた生前最終版(1891-92)をテキストに用い,下巻には,後期の代表作「インドへ渡ろう」「古稀の砂粒」などとともに,没後に発表された遺稿詩群「老いの繰りごと」を併収.原題名総索引を付す.[全3冊完結]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
59
晩年になると政治的な詩から「インドに渡ろう」「コロンブスの祈り」といった東洋への憧れを感じさせる詩が増えるが、最晩年の「別れの歌」では死を意識し始めてか、再びデモクラシーを声高々と歌い上げている。『草の葉』を生涯かけての改編し続けたホイットマンだが、晩年、アメリカではすっかり忘れられてしまい、イギリスの詩人たちが「アメリカはもっとホイットマンの功績を認めるべきだ」と声をあげたことで再認識されるようになった。彼が描いたのは、アメリカの理想の姿。彼ほどアメリカを愛し、賛美した者はいなかったのではないだろうか。2018/07/12
マンセイ堂
36
上、中の読了から時間がかかりましたが、下巻読み終わりました。ハツラツとした自由なアメリカを詠んだ詩も良いのですが、自分が欲や惰性に流される普通の人間だと心情を吐露している詩は、本音を話しているように感じいいなと思いました。2013/09/18
dokusyozuki
2
タッチタイピングの練習用のテキストにしたことで読了。翻訳者の解説と年譜を読んで再読を決意2021/11/07
genyaman
1
学校で教わったり映画『いまを生きる』で取り上げられたり、アメリカ文学を語るうえでは本当に避けて通れない作品で、ようやく半年ほどかけて読了。読みやすいけど難解というアメリカ文学の特徴がよく表れていると思いました。同性愛についての明かすことのできない情熱や、船や航海に関する内容が多いことに時代を感じました。また、宗教や人種、性などに関する考え方は、現代では違和感はないですが当時は物議を醸しただろうことは想像に難しくありません。理解、共感できない作品も多かったですが、言葉が、詩が溢れ出てきているのを感じました。2023/12/21
ローリングエルボー
1
やっと読み終えた。2015/02/24