出版社内容情報
同胞,人類,民主主義への限りない愛と熱情を独自のスタイルで謳いあげた全詩集の完訳.中巻には,傑作として名高い「いつまでも揺れやまぬ揺籠から」,ニューヨークを訪れた日本最初の遣米使節一行をうたう「ブロードウェーの華麗な行列」,リンカーン大統領を悼む「先頃ライラックが前庭に咲いたとき」などを収録.(全3冊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
61
「ブロードウェーの華麗な行列」は、1860年日米修好通商条約の批准交換にやってきた徳川幕府の使節を見て作った詩。この光景は、ホイットマンには、世界に向かって開けていく輝かしいアメリカを象徴するものだったのだろう。南北戦争が始まり詠まれた「軍鼓の響き」は、戦意を高めるためのものだったが、戦にでたら死ぬのは当たり前とか、戦争忌避者を激しく糾弾するとか、かなり内容が過激だ。北部の人間にとってはそれだけ重要な戦争だったということなのだろうが、今ではちょっと考えられない激烈で上からな考え方だ。2018/07/11
マンセイ堂
5
自由で人を差別しない、知識人や富裕層よりも、知識のない快活な庶民を愛したホイットマンの詩が詰まっています。「平和の為ばかりでなく、どうか真の君自身となり、戦うことも愛してくれ」という言葉が刺さりました。その場を乱すことや他者の評価を恐れるばかりで、黙しているだけでは駄目なんですね。2013/06/19
ローリングエルボー
1
疲れた。頭に入ってこない。2014/10/13
deppardieu
1
君はあんなものが、あんな直線が、曲がりくねり、角ばり、点をそなえたあんなものが、本当に言葉だなどと思っていたのか P122
秋良
0
偏見かもしれないが、確かにアメリカらしい詩。こういうのはフランス人やギリシャ人は作れなそう。2015/02/08