岩波文庫
20世紀イギリス短篇選〈上〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003227015
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

短篇小説の面白さは人生のある局面を鋭く鮮かに切りとって見せる,その技の冴えにあるといってよい.そういう実作にこと欠かぬ現代イギリスの傑作短篇から二十三篇を選りぬいておとどけする.上巻には第一次大戦前から第二次大戦中の,また下巻には五○~七○年代の作品を収めた.どの一篇にも短篇の妙味をたっぷり味わうことができる.

内容説明

短篇小説の面白さは人生のある局面を鋭く鮮やかに切りとって見せる、その技の冴えにあるといってよい。そういう実作にこと欠かぬ現代イギリスの傑作短篇から23篇を選りぬいておとどけする。上巻に収めたのはフォースター、ウルフ、ジョイス、ロレンスなど12人の代表作。どの1篇にも短篇の妙味をたっぷり味わうことができる。(全2冊)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

47
インド生まれの英国人、キップリングが異国人であったコンラッドと似ていながら読後は真逆な作品を書いているのが興味深いです。『脱走』の脳内地獄での追い詰められ感もビシバシ、伝わってきます。また、『ルイーズ』なんて「そりゃないよ」と思う位の短い中の強烈なメリバぶりに落ち込みます。そしてバーティ&ジーヴスシリーズなどのドタバタ・ユーモアで御馴染みのP・G・ウッドハウスがちょっぴり、ビターなラヴコメを書いていたなんて衝撃的です。ローレンスの『指ぬき』に江戸川乱歩の『芋虫』を思い出します。でもこれからなんだよね・・・2014/11/06

kaoriction@感想は気まぐれに

21
短篇小説の妙だ。「短篇小説の面白さは人生のある局面を鋭く鮮やかに切りとってみせる、その技の冴えにある」。当初、フォースターとヴァージニア・ウルフを読みたくて買い、その2作を読んだのち放置していた。が、急にエリザベス・ボウエンが読みたくなって開く。フォースター『岩』、ウルフ『キュー植物園』はやっぱり好きだ。欲していたボウエン『幽鬼の恋人』ももちろん良かったし、サマセット・モーム『ルイーズ』も最高。ロレンスも。現代イギリス短篇23篇。冴えて鋭く、鮮やかな局面。イギリス文学、短篇好きにはたまらない作品集。2020/04/10

kaoriction@感想は気まぐれに

15
【再再読】自分の読了本、感想を見て気づく。なぜか定期的にやってくるエリザベス・ボウエンを読みたくなる病。それにかかると私はこの短篇集を開くようだ。今回も急に襲ってきたエリザベス・ボウエンに耐えきれず、開いた。いっそのこと、ボウエンの作品を購入した方が良さそうだが、これがなかなか手に入らないのですよね。値も張り上がっているし。と思いながらも只今あちこちのサイトを漁ってボウエン入手を企み中。今回は(も)、他にウルフの『キュー植物園』を読んだ。やっぱりイギリスのこの時代の作品が好きだなぁと再認識した。2024/02/10

ももたろう

13
アーノルド・ベネット「故郷への手紙」について。ここで出てくる無名の主人公の青年は、母の元を離れ、人生をだらだらを過ごした挙句、最終的にホームレスとして公園に行き着く。おそらく身体もボロボロになってしまい、公園で気を失って病院送りになる。そこで彼は初めて「死」を意識する。その時に初めて、愛する母親に会いたいと言う感情を持つ。しかし、時すでに遅し。もう死は目前に迫っている。やっとの思いで手紙を書くも、それが届くことはない。死を意識せず、だらだらと生きていった人間の惨めな最期が、この作品で描かれている。2020/03/22

はなちゃん

11
なんとも味わい深い短編集。著名な方ばかりなのでじっくりとそれぞれの世界観を堪能しました。時代も国も乗り越えて、趣や空気を感じられ、明るくはないけれど贅沢な気分になりました。下巻へ。2018/03/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/371191
  • ご注意事項