岩波文庫<br> 青春 - 他一篇

岩波文庫
青春 - 他一篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 114p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003224830
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

コンラッド(1857‐1924)はポーランド生まれのイギリスの小説家.17歳で船員となり20年間にわたって海上生活をおくった.その体験を基に多くの秀れた海洋小説を,しかも20歳すぎに修得した英語で書いた.「青春」は船火事にあいボートで脱出・漂流した若い水夫の物語.「闇の奥」「颱風」とともに中篇小説の代表作.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

63
表題『青春』では、『闇の奥』のマアロウが若き日の航海を回想。荒れる天候、船の破損・火災・沈没、漂流などの具体性(人生の醍醐味)で、老若、生死、そして新旧世界といった時の流れ(人生の神秘性)を描写。事実と幻想で揺れる中で掴んだ何か・・・、それが表題という感。『ドルのために』は、事件の途中から物語が始まり、事件前後を作中の人物に語らせる、という手法。人間臭さ漂うデビッドソンの方が、マアロウより親近感。決して派手さはないが、哀愁・美学が静かだが力強い。両作品とも示唆に富み、哲学的だなぁ。2018/09/24

Aminadab

6
「青春」は再読。傑作。もう1880年なのに、三本マストの帆船(400トン)にニューカッスルで600トンの石炭を積んでバンコックを目指す。この無理筋の航海を漫画のような不運が次から次へと見舞う。語り口のテンポが素晴らしい。「ドルのために」は初読み。1902年頃、蘭領東インドで現金を輸送する小汽船が賊に襲撃される。賊も、巻きこまれる夫婦もキャラ立ちまくり。主人公は当該小汽船の船長だが、気は優しくて力持ち。しかしその性格の良さがこの蕃地では必ずしも良い結果につながらないところが大人の読み物。メロドラマだが佳作。2020/02/05

きりぱい

4
金とか恋とか人生で得るものは色々あるけれど、何も与えられずだた裸一貫、人間の力というものを感じさせてくれた機会が、青春を振り返ってなにより得難いものだった、というくくりにはうなずける。宮本輝が影響を受けた書として挙げていたので読んだのだけど、面白いか面白くなかったかというと、面白くはなかったかな。航海での災難は強烈なものだったけれど。「ドルのために」も海の男の話、こちらの方はまだ面白い。心優しいディヴィットソンはなぜ笑顔を失ってしまったのか、思いやり深かったばっかりに身にふりかかった苦い災難。2011/11/03

飯田健雄

1
27歳で、コンラッドの『青春』を読んだ。当時、あと、5年前に 読んでおく本だったと後悔したのを記憶している。 最後部の一節が印象に残っている。 「すべての不思議なものにかけて言うんだが、 なんと言っても不思議な、美しいものはは海だ、 海そのものだと僕は信じている。でなければ、 青春だけか」、、人生と情熱が自然と一致する 季節、青春である、、

悸村成一

0
読了8冊め。2刷1990年。併収「ドルのために」。2022/01/10

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