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岩波文庫
ジュリアス・シーザー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 227p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003220467
  • NDC分類 932
  • Cコード C0198

出版社内容情報

『ハムレット』など一群の悲劇が書かれた「悲劇の時代」の始まりを飾る第一作.英雄シーザーの死,アントニーの演説そしてブルータスとキャシアスの葛藤という三つのクライマックスが老練きわまりない手法でダイナミックに劇化されている.群衆煽動のあの一場一つにも人間研究者としてのシェイクスピアの恐ろしさを思い知らされる.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

23
「ブルータス、お前もか」という台詞が有名な劇。群集心理の移ろい易さは今の世でも変わらなく、世を治める人々の努力や苦労は治める努力もせずに批判ばかりして後に事実を知って行動することしかできない群衆には通じない。ブルータスが自死の間際、シーザーの霊に向かって述懐する場面が印象的でした。一番の策士は暗殺者に傅くと見せかけ、群衆を演説で反旗させ、自分の手を汚すことなく、ブルータス達を葬り、ブルータスを讃えて後釜に収まったアントニーだと思います。2012/09/18

あかいろ

19
人間の心理を操るような演説がすごい。群衆の容易さと手強さの鮮やかな描き方には感服です。 現代から見ると主観が過ぎる気もしてしまうものすごく長い解説も、シェイクスピアほぼ初心者のわたしにとっては勉強になるし、戯曲を読むときのスタンスを教えられたようでした。古典と聞くだけでどうしても遠慮がちになりますが、肩肘張らず、ラフに楽しめばいいものなのかもしれません。2016/05/15

チェ・ブンブン

19
訳者が堅いので読みにくい。群衆の付和雷同さがよく分かる本。そして、権力を手にするとコントロールに苦しみ暴君となる。大人の道徳本である。2013/07/08

吉野ヶ里

13
台詞のセンスが切れ味すっごいです。1600年ぐらいに作られた物語だとは思えないくらい人間の描写がしっかりしていて、生々しい。何百年たっても人間は変わりませんね。世界史やってないし、注は適当に読む派なんで、半分くらいしか汲み取れてないと思いますけど、やっぱシェイクスピアすごいです(小並感)。ただ、現代の劇より完成度が高いってことはないですね。あの時代にこれが書けたことが凄いというか。台詞のセンスは未だに通用すると思います。2015/03/15

シャル

12
ジュリアス・シーザーの死をめぐる、人々の移ろいの物語とでも言うべきか。疑心と欺瞞と怒りがジーザーへの凶刃となって向けられるが、殺してしまえばその後に待つのはまた別の政治的、あるいは人間的流れの変化である。アントニーの言葉と演説で潮目は変わり、市民の反応も変わっていく。特に演説後の市民の言葉と態度と行動は、いつの時代も変わらない群衆という存在のあり方のようで興味深い。また、解説にもあったがローマの時代考証そのものは大雑把であるとも言われ、いっそ日本風に想像しても問題ないというのは少し笑った。2016/10/10

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