出版社内容情報
中国の詩歌は三千年もの豪華絢爛たる歴史をもち質量ともに世界に類を見ない．『中国名詩選』は「天上の星の数」ほどもあるそれらの作品のうちから最も秀れた愛誦するにたる詩篇およそ六百首を精選し，読み下し文と味わい深い現代語訳，注釈と作者略伝を付したもの．詩を愛するあらゆる人が備うべきアンソロジーである．
内容説明
中国詩は三千年もの豪華絢爛たる歴史をもち質量ともに世界に類を見ない。本書はそのうちから最も秀れた愛誦するにたる詩篇およそ六百首を精選し、訓読文と味わい深い現代語訳、注釈と作者略伝を付す。上巻には『詩経』から漢魏時代まで約百首を収めた。
目次
古代北方の歌謡―『詩経』（関雎（周南）
桃夭（周南） ほか）
古代南方の歌謡―『楚辞』（離騒（節録）（屈原）
湘夫人（節録）（屈原） ほか）
漢代の歌謡（垓下歌（垓下の歌）（項羽）
大風歌（大風の歌）（漢高祖） ほか）
漢代の詩（四愁詩（四愁の詩）（張衡）
行行重行行（行き行きて重ねて行き行く）（無名氏） ほか）
三国時代魏の詩（短歌行（曹操）
苦寒行（曹操） ほか）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海（ふたみ）
14
コインランドリーで毛布を洗っているときに読みました。そばに腰かけた見知らぬ若い女性がおもむろに鞄からバナナを取り出してムシャムシャ食べ始めました。ちょっと驚きました。2015/04/04
ぽんくまそ
6
作られた時代に、どのような発音でどのような節で歌われたのかを、すでに知る由は無い。原詩に勝手な発音と勝手な抑揚をつけ、音楽性と 意味を想像してから、読み下し文と訳文、注釈を読んで正解を知る。我々が歌謡曲の一節を時折、口ずさむように歌われてきたのだろう、たわいもない歌もあるのがいい。無形文化遺産と言える各地の民謡を集めてまとめて詩経という形で伝えた無名人たちの事業に敬意を評したい。伝承に尽くした孔子もだ。屈原の「楚辞」も。三国時代（曹操・曹丕・曹植・建安七子）までが上巻だ。歌と詩が未分化な時代を味わった。2021/05/24
六花
5
寝る前に声に出して読みながら、少しずつ。「但だ君の為の故に、沈吟して今に至る。」お客さんへうたったとはいえ、曹操様は意外とロマンチストさんなのかも。「死を視ること忽ち帰するが如し。」白馬篇は張遼がモデルとも言われているらしい。かっこいいなぁ。2014/09/18
RED FOX
5
戦さ、圧政、家族、恋愛。二～三千年前の人の心の動きも現代人と同なのか、と不思議な感じを覚えます。このころの中国は凄いっす。2013/06/28
壱萬弐仟縁
3
静女 其れ孌（れん）たり、我れに彤（とう）管を貽（おく）れり。彤管 有煒（ゆうい）たり、女（なんじ）の美しきを説懌（えき）す（pp．３８－３９）をはじめ、感動的な詩がある。「あの子はほんとに上品で美しい。わたしに彤管をくれた。彤管も赤くてきれいだが、それをくわえたそなたの美しさがもっと嬉しい」（p．３９）とあって、ほほえましい感じがした。2012/06/18
