出版社内容情報
信仰の登山から近代登山へ-明治から大正の時代,小島烏水・武田久吉・高頭仁兵衛ら日本登山黎明期の登山家たちも,幸田露伴・柳田国男・芥川竜之介ら文人たちも,山をめざし,個性的な山の旅の記録をのこしている.
内容説明
信仰の登山から近代登山へ―明治から大正の時代、武田久吉・高頭仁兵衛ら日本近代登山黎明期の登山家たちも、正岡子規・幸田露伴ら文人たちも、様々なかたちで山をめざし、それぞれ個性的な文章をのこしている。新鮮な驚きに満ちた山の旅の記録二三篇を収録。
目次
乙酉掌記(抄)(松浦武四郎)
旅の旅の旅(正岡子規)
寒中滞岳記(野中到)
知々夫紀行(幸田露伴)
二百十日(抄)(夏目漱石)
西蔵旅行記(抄)(河口慧海)
尾瀬紀行(武田久吉)
利尻山とその植物(牧野富太郎)
木曽御嶽の両面(吉江喬松)
白峰の麓(大下藤次郎)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
17
夏目漱石「二百十日(抄)」(75頁~)より。 饂飩屋の話。 社会の悪徳を公然商売にしている奴ら(88頁)。 漱石先生は不愉快に思っていると推察される。 吉江喬松「木曾御嶽の両面」(169頁~)より。 金剛杖を突き、呪文を唱えながら行く御嶽道者らで、 鈴声に伴われて行けば知らず知らずに木曾路に這入ってしまう(170頁)。 木曽馬が急坂に適することや、 藪原宿を出て明日は御嶽登山となると、馬車に乗ったようだ(171頁~)。 明治40(1907)年8月初旬のことである。 2014/03/28
yamakujira
1
昔の山旅は、なぜだか素敵に思う。いろんな紀行文が楽しめるけれど、文豪と言われる作家の文章はさすがだな。 (★★★★★)