岩波文庫
山の絵本

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  • サイズ 文庫判/ページ数 353,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003114018
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

詩人尾崎喜八(一八九二―一九七四)が山野を歩く.美しい文章で山村のたたずまいと山に暮す人々との交流を描く.青空に屹立する岩峰とそこに吹く風を描く.そして何よりも著者自身の幸福感があふれる.雑誌掲載中から山好きの若者たちに圧倒的な人気で迎えられた本書は,六十年を経た今もその瑞瑞しい輝きを失わない. (解説 串田孫一)

内容説明

詩人尾崎喜八が山野を歩く。青空に屹立する岩峰とそこに吹く風を描く。山村の佇まいと、そこに暮す人々との交流を描く。雑誌掲載中から山好きの若者たちに圧倒的な人気で迎えられた本書は今もその瑞々しい輝きを失わない。

目次

絵のように
画因と素描

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

47
登山を描いた散文、随筆集。主に関東、甲信越の山が舞台となっている為、日本アルプスの有名な山以外は馴染みのない名前が多い。それでも文を読んでいるうちに名も知れない山を歩いてみたくなってくる。ひたすら高山に登るところもいいが、詩人ならではの言葉で低山や村落をそぞろ歩きする箇所もまたいい。特に全編散文詩のような「たてしなの歌」や「春の丘陵」の春の描写等、そして語られる雲や植物、地質等のこと。読んでいるうちに初夏の高山や秋風に染まる峠道を歩いてみたくなる一冊でした。とりあえず近場の山から歩いてみようかなあ。2015/09/10

壱萬弐仟縁

9
1959年初出。やさしい風貌の山。残酷な山。最近、高齢者の遭難が増えている。イメージと現実の乖離が気になるところ。色々だ。哲人の隠栖、無数の蔵書、書物は古典、宗教哲学、自然科学もの(31頁)。根源的な「冬の王」という北欧の物語(森鴎外訳とのこと30頁)。山の根深さ。郭公、ヨシキリ、テール・ヴェルトの霧が甘い柑橘の香を発散し、精神を昂揚させる(110-11頁)。癒しの神津牧場。228頁では、木曾駒ガ岳から伊那へ。ただそれぐらいで駅の名前が出てくる程度。少し残念。絵本だが絵本は出てこない。写真が出てくる本。2013/09/01

yamakujira

1
無用に飾らない言葉に詩人の感性が光る。水彩画のような風景が目に見えるようで、行ってみたいなぁ、と思わせてくれる紀行文ばかり。でも、今では出逢えない景色も多いんだろうな。 (★★★★★)

やま

1
昭和7年、8年頃の山の本。関東近くの一般的な山の紹介なので、なじみやすい。 クラシック音楽が好きだったと見え、あちらこちらに山の風景をシューベルトやベートーヴェンの曲にたとえている。また、いろんな本の引用があり、相当な教養の持ち主と思われる。2013/01/04

denden

0
山岳書2冊目、田部重治の1冊とは違いこちらは軽やかな清々しい姿が印象的だ。それもそのはず、著者は詩人でもあり、ロマンロラン、ヘルマンヘッセの著書を翻訳して日本に紹介した御仁である。記事となっているのは我が家の近辺も多い。毎日散歩しているあたりを尾崎氏も歩いたのかと思うと親しみがわく。山を初めて数年後に山岳書の楽しみを知り、この本も読んだ。数年ぶりの再会に心が躍った。2017/02/12

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