出版社内容情報
泡鳴(1873‐1920)は田山花袋らの客観描写にあきたらず,作中作者即主人公となって活躍するという一元描写の手法を用いて,自然主義作家の中でも特異の立場を占めた.本書は明治42年に発表された処女作.田舎芸者との愛欲耽溺の生活を描いたものだが,大胆素直な描法と生来の楽天的性格が相まっていわゆる自然主義文学のもつ暗さがない.解説=片岡良一
泡鳴(1873‐1920)は田山花袋らの客観描写にあきたらず,作中作者即主人公となって活躍するという一元描写の手法を用いて,自然主義作家の中でも特異の立場を占めた.本書は明治42年に発表された処女作.田舎芸者との愛欲耽溺の生活を描いたものだが,大胆素直な描法と生来の楽天的性格が相まっていわゆる自然主義文学のもつ暗さがない.解説=片岡良一