出版社内容情報
柿内園子は天王寺の技芸学校で徳光光子と知りあう.二人はやがて激しい同性愛におちいる.そして,ある事件を契機に夫の柿内も光子と…….上方言葉による女性の独白というスタイルで,女性心理の微妙な陰翳を写しとったこの長篇は,同性愛に託して人間存在の不安定性を見事に描きだしている. (解説 篠田一士)
内容説明
柿内園子は天王寺の技芸学校で徳光光子と知りあい、二人はやがて激しい同性愛におちいる。そして、ある事件を契機に夫の柿内も光子と…。上方言葉による女性の独白というスタイルで、女性心理の微妙な陰翳を写しとったこの長篇は、同性愛に託して人間存在の不安定性を見事に描き出している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こぐま
2
あらすじも何も読まずに読み始めたので物語の展開に驚かされた。 大阪弁にあんなに色気があるなんて思わなかったし、あらためて谷崎潤一郎の文章の魅力にとりつかれつつある。 次は細雪かな。2017/02/24
つる
0
世にも悍ましい…… 同性愛がテーマの小説だと思い読み始めたが、小説の主眼はそこに必ずしもあったわけではなく、「支配」についての強烈な物語だと思った。春琴抄などでも取り上げられたような、主従をめぐる猛々しくも美しい支配関係は読者をサドマゾ奇怪の世界観に誘う。ここに生じる興奮が自分を谷崎文学に向かわせるのではないか。2023/08/23
若
0
サドマゾ2020/05/19