出版社内容情報
明治詩壇「文庫派」の代表詩人河井酔茗(1874‐1965)の処女詩集「無弦弓」以後「塔影」「霧」「弥生集」にいたるまでの詩作を自ら精選したもので,約150篇を収めた.淡々として常に若く,常に詩の道に参じて不退転の精進をつづけ,自由静謐な格調と温藉な感情の流れは,いま凝集されてこの書にある.
感想・レビュー
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双海(ふたみ)
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河井酔茗――名前しか聞いたことがなかったのですが、先日の古本まつりで偶然見つけました。昭和13年、定価は★★、すなわち40銭、検印もあります。好き:「紅芙蓉」・「残る心」・「行く春」・「花のない時」・「詩の道」など。 「あわただしくも櫻散る 春の心はわかれ行く きみが心に似たりけり」(行く春)2015/02/20
のほほんなかえるさん
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「ゆずり葉」など後半になるにつれていい詩多し。前半も格調高い詩あり。個人的には中間の詩集『霧より』に好きな歌が多かった。切り出しにぐっと捉まれると読んでしまうもの多し。つまらないと感じるものの大抵は、その初めの一文に趣向ないこと多し。か。2012/06/03