岩波文庫
鶉衣〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003021514
  • NDC分類 914.5
  • Cコード C0195

出版社内容情報

経史に通じ詩文に達し,伊勢,源氏を愛し,近松,西鶴を翫んだ横井也有(1702‐1783)の文は,まさに国文学の珠玉である.一代の才人大田蜀山人は鶉衣の軽妙を嘆賞して病間慰鬱の料とすると言った.これを本文庫に加えるについては初刻12冊本を底本とし,也有の自筆,也有在世時代の写本,石井垂穂の稿本等に拠った.

内容説明

高雅にして軽妙―芭蕪と好対照をなす俳文の名手、也有(一七〇二‐一七八三)珠玉の文集。和漢の古典と民間里謡に精通し、修辞的技巧を凝らしながら、機智に富んだ温かなまなざしを身の回りの器物や動植物に注ぐ。上巻には前編・後編の一〇三篇を収める。

目次

前編 上(内題「うつら衣」)
前編 中(内題「うつら衣下」)
前編 下(内題「鶉ころ裳続編」)
後編 上(内題「うつら衣後編」)
後編 中(内題「うつら依後編下」)
後編 下(内題「鏡裏梅うつら衣拾遺」)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koning

14
江戸繋がりで。ボチボチと読んでたけれど、物の見方一つとっても中々に目の着けどころがおもしろいというか。節分庵記なんかニヤリとさせられるし、良いですよ。古文と言っても江戸期なので意外とさくさく読めてしまう所もいいんじゃないかと。2013/09/10

うた

8
四月のお題「鶉」。とりどりの随筆を集めて束ねた様を鶉の羽毛に例えて『鶉衣』という。也有というと『細雪』の姉妹が習い事で也有の唄を練習していた描写があったが、ご本人もなかなか風雅な人だったようだ。自身をおけらになぞらえて、飛ぶにも走るにも泳ぐにも半端だと書いてはいるが、それだけでも十分楽しい俳文だと思う。2020/04/01

壱萬弐仟縁

7
18世紀に生きた人。44の「百魚譜」は魚の種類をいろいろ教えてくれる(191ページ~)。鮒、鯉、鱠、鰤、鯖、鰹、鮟鱇、鱈、鰍(いなだ)、鮭、鱒、白魚、鯛、鱸(すずき)、鰷(はや)、鯰(なまず)、海鼠(なまこ)、ゑい、蛸(たこ)、鱚(きす)、鯊(はぜ)、泥鰌(どじょう)、鰒(ふぐ)、鰯、鰐(わに)、鯨。この中で、なんと、「木曾に便(たより)よき人は、まだき新蕎麦喰ひたりなどほのめかされて」(195ページ)とある。昨夜の日テレケンミンショーですんきそばやってたので、海と山の融合の作に触れ、更に感動を味わった。2013/02/15

feodor

4
享保年間から出仕していた尾張の名門藩士横井氏から出た俳人也有の俳文集。俳文というと風情だなんだと感じてしまうが、要はエッセイで、なかなかにユーモア感のある文も多い。俳諧は、和歌並に古典知識を要したものか、そこここに顔を出しつつも、和歌の世界よりも自由度が高いということも折々触れられる。上巻では正編たる前編・後編が収録されている。奈良の団扇にはじまるモノエッセイがとりわけ素敵かも。2012/08/13

ゆうちゃんママ

0
新世界に足を踏み入れた!!!!感じです。2011/05/08

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