同時代ライブラリー<br> 小説の方法

同時代ライブラリー
小説の方法

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  • サイズ B40判/ページ数 245p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784002601403
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0395

出版社内容情報

人間の諸要素を全体として活性化させる,小説という言葉の仕掛け.著者は,書き手と読み手とが共有する精神と情動の深い経験を分析し,「未来の経験」にたちむかう文学の有効性を探る.「どう書くか・なにを書くか」を加筆.

内容説明

人間の諸要素を全体として活性化させる、小説という言葉の仕掛け。著者は、具体的な作品に即し、「異化」と想像力、文体論、グロテスク・リアリズムのイメージ・システムなどを論じ、文学の全体像を同時代的手法でとらえなおす。書き手と読み手とが共有する精神と情動の深い経験を分析し、「未来の経験」にたちむかう文学の有効性をさぐる。「どう書くか・なにを書くか」を新たに加筆。

目次

1 文学表現の言葉と「異化」
2 構想の様ざまなレヴェル
3 書き手にとっての文体
4 活性化される想像力
5 読み手とイメージの分節化
6 個と全体、トリックスター
7 パロディとその展開
8 周縁へ、周縁から
9 グロテスク・リアリズムのイメージ・システム
10 方法としての小説
どう書くか・なにを書くか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

miori

9
読みながら、「ああ、私は頭が悪いんだなあ」と何度も痛感しました。でも、著者も、読み手のことは考えずに書いた、と言っていますので、よしとします。難しくて意味が取れない箇所だらけでしたが、「ドン・キホーテ」や「誘拐事件の脅迫状」についての考察などは、すごく興味深く読むことができました。あまり間を開けずに、付箋とマーカーを用意して再読します。2022/07/27

amanon

3
先に読んだ『新しい文学~』と同じく、ロシア・フォルマリズムやバフチンからの影響が強いのが印象的。全体としては興味深く読めたのだが、果たして今日の文学理論において、それらの潮流がどれだけ有効性を持つのか?という疑問が残る。後、本書で引用される文学作品の中で未読のものも少なくないが、とりわけ興味を抱かされたのは『ドン・キホーテ』。それからムジールの『特性のない男』における兄妹の近親相姦のエピソードは、「あれ、こんなにエロチックだったけ?」と今更ながらに驚かされた(笑)。理解が十分でないのでまた読み返したい。2015/02/25

sibafu

1
小説家大江健三郎による、どういうふうに小説が書かれているか、という意味での「小説の方法」の本。小説はどう書くのか、というものではなくて批評本のようなもの。ロシア・フォルマニズムや構造主義の方法を下地にしてアレンジしたオリジナルに近い方法を取っているようで、初めの方は嫌味なほど言っていることが分かりづらい。『戦争と平和』や『ドン・キホーテ』を扱った中盤は楽しく読めたが。この一冊は、いろいろな文脈の中で意味が生まれる一冊であって、これ一冊だけ読んでも実りは少ないように思える。2012/12/17

アレ

1
イメージを想像力で改変していくこと、その枠組として分節化、多視点やマイナーなもの、パロディ化を挙げながら「個」に構造を通じて全体としての視点を与え、現実を改変できるような期待の地平の創造へと繋げていくという論旨。2012/07/20

ぷるいち

0
感想は、二回目をよんだときに。これ、すごく勉強になった。2014/04/14

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