出版社内容情報
かつて日本映画に存在した活辯は,大衆芸術のヒーローであり,映画は当時最もモダンな娯楽だった.膨大な“みそのコレクション”の精髄をカラー写真で収録した本書は,昭和初年に至る民衆史の貴重な史料でもある.
内容説明
春や春、春南方のローマンス…かつて日本映画には活弁があった。つまらない活動写真をも面白く観せるために汗水たらして語りつづけた彼らは、大衆芸術のヒーローであり、映画は当時最もモダンな娯楽だった。膨大な“みそのコレクション”の精髄をカラー写真で収録した本書は、昭和初年に至る大衆文化の貴重な史料でもある。書下し。
目次
弁士の誕生
弁士の系譜
活弁時代
弁士の世界
弁士の退場
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
1
日本に映画が伝来した明治末期、全く未知のメディアだった"映像"を日本人に馴染ませるために登場した人々、活動弁士(活弁)の誕生から消滅までの栄枯盛衰を貴重な資料(往時のポスターやプログラム)と共に振り返る、至高の一冊。歴史に残る活弁士達のプロフィール、前説や中説に別れていた解説の実態、そして弁士の口上の再録など、活弁について包括的に知るためには必読だろう。徳川無声の「カリガリ博士」の口上なんて、激レアだ。しかし、「活弁」とか「弁士」が蔑称だったとは知らなかった。正式には「映画解説者」というらしい。2012/05/15
パトリック
0
日本独自のスタイルだった「活弁」の時代を語る貴重な本。2017/06/15